ゆたんぽを抱いて寝る。

ゆたんぽを抱いて寝る。

猫のこと、本のこと、アニメのこと、野球のことetc...思いついたまま、気の向くままに。

ゆたんぽを抱いて寝る。

便利な世の中

郡山(滞在一時間)

 

書き出しが台詞っていうのはインパクトを与える常套手段だと何かで見た

「まったくめんどくさいことになったなぁ」
僕が誰にともなく呟いた言葉は、すぐに蒸し暑い空気に溶けて消えてしまう。
まだ6月だと言うのに強く照りつける日差しから逃げるように飛び込んだ駅のホーム。一応新幹線の停車駅のはずなのだが、
「……まさしくクソ田舎、だよな」
長いホームには人っ子一人見当たらない。平日とはいえこの利用率で果たして大丈夫なのだろうか。勝手な心配をしながら、ベンチに座る。首筋を流れ落ちる汗を拭き取りつつ、本日の昼食タイム。コンビニのパンに、コンビニの揚げ物チキン。正しい独身男性の昼食スタイルだ。

 

――間もなく、2番線に13時40分発、はやぶさ10号東京行きが、10両編成で参ります。黄色い線の……

 

昼食を終え、食後のコンビニコーヒーを飲んでいると音楽とともにアナウンスが鳴った。アナウンスが終わるのとほぼ同時に、暑さで滲む視界の向こうから浅葱色をした車両がゆっくりと近づいてくるのが見えた。いつの間にか周りには到着を待つ人が列を作っていて、僕も慌てて列に加わる。
ポケットから指定席の切符を取り出し、番号を確かめながら予約していたシートに座る。すぐさま鞄からスマートフォンと充電器を取り出し、充電を開始する。バッテリー残量は5%と表示されていた。新型車両が出始めて久しいとは言え、まだ全てのシートにプラグが備え付けられているわけではない新幹線。それでも確実にプラグが付いている2列席の窓側が、僕のお気に入りだった。
ゆっくりと、音もなく新幹線が発進する。
僕は最初は緩慢に、徐々に敏速に流れていく新緑の田舎風景をひとしきり見たあと、トンネルに差し掛かったあたりで窓の外から目を離した。
コーヒーを飲んで一息ついた僕は鞄から文庫本を取り出しつつ、
「交通網が発達しすぎたのも、考えものだな」
小さく言った。
幸いなことに、僕の独り言はトンネルに入った時特有の「ゴーッ!」という音にかき消されて、誰も聞いていなかった。


日帰りなんてレベルじゃない

全部この形式でやろうかなと思ったけど、真面目に書くと万の文字を持ってしても書ききれない気がしたのでもうやめます。好きなんですけどね。

ということで、先日仕事のトラブルのせいで郡山まで行って帰るということをやりました。まぁ、コチラが悪いわけじゃないし、むしろだいぶ貸しを作ってる側なので気持ちはラク。文庫本でも読みながらのんびり仕事サボって遊びに行こうくらいの気持ちでした。
ちなみに行くことが決まったのが昼頃、新幹線が13:30だったのでお昼をコンビニで適当に買って済ませたのは本当です。
それでも乗り換え含め2時間ちょっとで着くんだから、本当に近くなったなぁと感じます。


……まぁ、近くなり過ぎも考えものだなぁとは思いましたが。

一昔前なら、諦めて次の日にしましょうってことになってた案件も、なんだかんだその日のうちに移動できちゃうようになったおかげで、こうして今日も誰かが新幹線で移動を強いられていると思うと、果たして便利とは一体、なんて考えちゃうわけです。
昔なら一日置いても平気だった案件なんだから、無理に今日中にケリつけなくてもいいと思うんですよね、実際。そこにかけるコストは本当に必要コストなの? と、思うようなことが結構あります。日本人はホント(こう書くと外国は違うのかと言われそうですがまぁまろやかに受け止めて下さい)、なんでもかんでも「今すぐ」「なる早」が好きですよねバカジャネーノ。
んで、往々にしてそういう緊急案件ほどエンドユーザーは緊急性を感じてなくて、こっちが慌てて対応すると、「あら、明日でも良かったのに」なんて言われるのは日常茶飯事ザラザラのザラメちゃんです。
便利に振り回されて、不便になってる人がどっかにいるんだなぁと、身をもって体験した日でしたとさ。


あ、でもお陰で文庫本2冊読めたんでよかったですね。
あと、郡山着いたのがちょうど学校の帰宅時間帯だったのか制服の女子高生をたくさん拝めたので実質無料みたいなものだったことになってます。

こんなオチで大丈夫か?

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