ゆたんぽを抱いて寝る。

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読書記「学園キノ6」時雨沢恵一/黒星紅白(電撃文庫)

頭にアホ毛が生えてるのが木乃

 

純粋に100%完全なるパーフェクト・フィクションです

学園キノ6を読みました。

書いてあるとおり、本書は時雨沢恵一先生のデビュー作にして今尚続いている超人気作品「キノの旅」とは一切合切無関係のフィクション世界の作品です。ほんとだってば。

学園キノ」は腰からモデルガンをぶら下げただけのどこにでもいる普通の女子高生、木乃がしゃべる携帯ストラップのエルメスと共に学園生活を送りながら時折魔物を退治するために謎の美少女ガンファイターライダー・キノになって戦ったり戦わなかったりするお話です。

腰に一振りの日本刀を差した静先輩(変身するとサモエド仮面になり、鳩がスローモーションで飛んでいく演出が発生する)や同級生の犬山・ワンワン・陸太郎(実はワンワン刑事としてキノの手助けを行いながらサモエド仮面を抹殺しようとしている)なんかが登場しますが、やっぱりどこをどう切り取ってもキノの旅とは無関係ですね。

 

前作から実に8年。筆者は普通にもう出ないものだと思ってました

学園キノ5巻が発売したのが2011年。実に8年ぶりの新作になります。

というか、本当に出るとは思ってませんでした。筆者の中ではすっかり過去のシリーズとして完結(という名の実質打ち切り)していたものだと思っていただけに、まさか今年発売になったキノの旅XXⅡのあとがきで学園キノの話が出た時は驚きましたし、その当時の時雨沢先生のTwitterを見たら”10月学園キノ”と書いてあってさらにビビった覚えがあります。

前作のラストで意味ありげな登場を見せた新キャラの帆戸。

今回はそんな彼女にフォーカスを当てたお話になっています。もちろん、元ネタになったキャラはキノの旅本編よりフォトです。

ん、元ネタ? はて、なんのことやら……

 

ちょっとした偶然(魔物発生現場の写真を盗撮することを偶然と称するのならば)から、謎の(中略)キノの正体が同じ学園の生徒であることを知ってしまった写真部、もとい写真愛好会唯一の会員、帆戸。なんとしても木乃がキノに変身する瞬間を写真に収めたい。そんなジャーナリズムという名の倫理的にアウトな情熱を現金に変えた帆戸は、しゃべるキーホルダー、ソウと共に決定的瞬間を追い続けます。

しかし、待てど暮らせど魔物が生まれない。魔物が生まれなければ、謎の(略)キノは登場しない。そりゃあ当たり前です、魔物もいないのにキノが登場したところで何もやることはないですし、そもそも木乃だって無駄にキノに変身したくなんてないのでしょうから。そして業を煮やした帆戸は、ついに禁断の方法に出ます。

そして運命は色々めんどくさい方向に動き出します。

詳しくは――本編で!

 

いい意味でぶっ飛んでて本当に面白かった

キノの旅本編だと、フォトって本当にいい子なんですよ。

生い立ちからして不幸の塊みたいな子だったのが、いろんな運命の悪戯で一気に大金持ちになって今はとある国で写真屋をしているわけですが、キノの旅の世界には珍しく(?)本当に純粋で良い子なんですよね、フォト。

そんな子が元ネタにも関わらず、それをぶっ壊してくれたのが本作でした。

作中の帆戸がホントに口が悪いのなんのって。いやまぁあんな境遇に陥れば多かれ少なかれ暴言も吐きたくなるってものだと思うんですがね。しまいにはあんなコトになってしまうわけですし……(本編最重要ポイント)。いやはや、それも含めて本当にぶっ飛んだ6巻となりました。

っていうか、まさか学園キノキノの旅本編に首を突っ込むような話をするとは思わず、そちらも驚きでしたね。なんにせよ、学園キノ自体は6巻までしか出てないし、キノの旅本編に触れてても触れて無くても、むしろ触れてないほうが幸せなんじゃないかってくらい色々ぶっ飛んだお話なので、気になったら読んでみるといいと思います。あとがきは久々に(というか8年ぶりに)雨沢恵一(あめさわめぐみはじめ)が登場しました。いやはや、そういやこんなあとがきスタイルでしたね。これもまた懐かしい。

 

 

 

 

っていうか、第一巻の表紙絵がこれなんですけど、

黒星紅白先生、絵柄ほんっと変わり過ぎなんだよなぁ……ってか2006年って太古の昔かよ……えっ、13年前?

 

ハハッ、なんもいえねぇや

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