金田正一さんの訃報についてコメント出してたことを思い出しただけで画像のチョイスに深い意味はありません
あなたの周りにいませんかこんな社員
思考放棄型Aさん
ある日、Excelで集計表を作る仕事を人に頼むことにした筆者。そこで、この前SUM関数とAVERAGE関数の使い方を教えた50代社員のAさんに頼むことにしました。
筆者「Aさん、この数値をExcelで表にしてください」
A「わかりました」
~2時間後~
筆者「Aさん、終わりましたか」
A「まだまだ掛かりそうです」
筆者(おかしいな、1時間もあれば終わるはずなのに)「ちょっと見せてください」
見ると、そこには合計値や平均値に至るまでびっしりと手打ちされたExcelのシート。傍らには電卓が置いてあります。
筆者「Aさん、この前Excelの関数教えましたよね? それ使ったほうが早いですよ」
A「えっ、そんなの教わってないですよ」
筆者「SUM(合計)関数とAVERAGE(平均)関数、前に教えたでしょう。ここをこうやると……ほら」
A「足したり平均出したり出来るのはこの前聞きましたけど、こういう時に使うっていうのは教えてもらってません」
筆者「…………」
A「最終的にできるんだからいいでしょう。ダメですか?」
試行放棄型Bさん
別のある日。この前の反省を活かし、マクロを駆使し必要情報を入力して実行ボタンを押すだけで表が出来上がる仕組みを作った筆者。今度はBさんにお願いすることにしました。
筆者「Bさん、集計表の作成をお願いします」
B「わかりました」
~1時間後~
B「できました」
筆者「ありがとうございます……あれ、このデータ合計値がおかしいですね。前に渡したマクロ込みのExcelシート使いましたよね?」
B「よくわかんなかったので前のやり方で作りました。パソコン苦手だし壊したら嫌なので」
筆者「…………」
B「LITさんはパソコン得意だから簡単に言うけど年寄りには難しいんですよ。慣れた方法が1番じゃないですか」
AさんもBさんも、結構実話に近いタイプで身の回りに居る人たちです。
そして、皆さんの周りにいませんか、こういうタイプの老が……そこそこご年配の社員の方々。
今日は、そんなちょっと扱いに困る人たちを二種類に分けて明らかにしていこうと、そういう記事です。
思考放棄型とは
Aさんのようなタイプを思考放棄型と今回は名付けました。
思考放棄型の1番の特徴は、読んで字のごとくとにかく考えるということをしないという点にあります。教えられたことは完璧にこなせるんですが、逆に言えば文面通りのこと以外は全くできない、もしくはやらないんです。
Aさんの中でSUM関数とは「足し算の答えを出す」ためのものであって、「集計表の合計値を簡単に出す」ためのものではなかったのです。なので、合計値も平均値もすべて電卓で弾き出した数値を手打ちしてしまう。ちょっと考えれば時間を短縮できるのに、その僅かな思考すらも放棄してしまっている、それが思考放棄型なのです。
このタイプの社員との付き合い方は、至って簡単。こちらが枠組みを全部用意しておいて、限られた決まった手順だけをやってもらうことです。マクロを組み込んだシートを渡して、「ここに数値を打ち込んで下さい」とだけ教えてあげれば黙々と表を作ってくれます。ただし、「数値を打ち込むことによってExcel上で何が起こっているか」をAさんは理解していませんし、もはや理解するつもりもありません。筆者としてはもうそれで構いません。仕事さえ終わらせてくれればそれでいいんです。
試行放棄型とは
一方でBさんのようなタイプを試行放棄型と呼ぶことにします。
試行放棄型の1番の特徴、それはとにかく不安材料がひとつでもあればその方法を取らないということです。石橋を叩いて渡ると言えば聞こえはいいですが、試行放棄型の場合はそれが行き過ぎてしまい、結果的に10年も20年も前の方法を未だに採用し続けているケースが多いです。それが如何に非効率的でムダな手順であれ決してそれを変えることはないし、新しいソフトやシステムが導入されても頑なに触ろうとしない、それが試行放棄型です。
Bさんはこの道20年の大ベテラン。Windowsが社内に導入された頃からExcelやPCで同じ仕事をずっと続けて今日に至ります。そして、驚くことにPCの操作方法やExcelの使い方、パソコンというモノに対する向き合い方もこの20年間全く変わっていないのです。一番最初にSUM関数の使い方を教えた人が、「足したい場所のセルをクリックして選んでいきましょう」と教えたのでしょう。Bさんはそれをちゃんと守ってました。200行のセルを一個ずつクリックしていくBさんの姿を筆者は忘れません。
試行放棄型は、とにかく失敗によるリスクを恐れます。だから、こっちが新しい技術や手法を使ってみせて、同じようにやらせてみるのが1番です。途中でなにか躓くことがあっても、大惨事にはならないということを事前に示しておきましょう。それがわかれば、小さな躓きがあっても手持ちの知識を応用して乗り越えていきます。問題があるとすれば誰かが定期的に技術のアップデートを行ってあげないと永遠にスキルアップしないことですが、筆者としてはもうそれで構いません。仕事さえ終わらせてくれればそれでいいんです。
なぜ老害と括るのか
あえて老害と書きましたが、もちろんこれは若手や中堅の社員にも当てはまることです。ですが、若手や中堅の場合は仕事や人生経験の浅さがそうさせていることもあり、まだまだ改善の余地は残されています。ところがどっこい、年配になればなるほど考え方が凝り固まってきてしまうというのは往々にしてあります。こう言っちゃ悪いですが、あの年齢に達してああいう仕事スタンスなんですから、もう変えようがありません。そして、これはあらゆる老害に共通して言えることなんですが、ほんっっっっっとうにマニュアルを読まないんです。
新しいシステムが導入されたとしましょう。もうその時点で諸手を挙げて降参しちゃってるんですよ。「わからない」「わかりっこない」からスタートしちゃってるんです。マニュアル読んで覚えようとかとりあえず触ってみて自分で習得しようとか、もうそういう気概はどこにもない。いつの頃からなのか、あるいは始めからなのかそれはわかりませんが、そうやっていつしか考えることを辞め、自ら試行錯誤することを放棄した結果立派な老害が出来上がるのです。彼らの文句は決まっていて、簡単かつ時短な方法を教えても「難しくてできない」「慣れた方法が1番」と突っ返してきます。
敢えて言い切りましょう、老害であると。
読んで分かる通り筆者は人を育てることに向いてないタイプの人間です
ホントのことを言えば、こういう人たちにもキチンとスキルアップしてもらうことが将来的には会社のためになるんです。それはわかってます。重々承知してます。
でもね、言わせて下さい。
めんどくさいんですよ!!
お前の教え方が下手くそだって言われりゃそうなのかもしれないんですけど、なんで自分の仕事を止めてまで教えなきゃいけないのって、思っちゃうんですよ。あと、筆者の職場環境の問題。ぶっちゃけ2~3年で部署異動になるってこと考えたらそこまで面倒見なくても……ってなってるのがホントのところ。
あと、AさんもBさんも人としてはすごく真っ当で立派な人達だということは一応補足しておきます。まぁ、偉そうなこと言ってますが筆者も色々ハチャメチャなことやらかしてるし順調に人事評価を下げながら社内の後ろ指を一手に引き受ける給料泥棒と化しつつあるので、そう遠くない未来老害と呼ばれる日がくるのかもしれないですが。