大満足です
LITさんとるろ剣
先日、東京ドームシティで開催中の「るろうに剣心展」に行ってきました。
思い返せば二十数年前。絶賛ガキンチョだったLIT少年がるろ剣の存在を知ったのは、当時放送中だったアニメからでした。川本真琴さんの1/2とかSIAM SHADEの1/3の純情な感情なんてのは今でも大好きなレベルです。ジュディマリのそばかすとかね。
もうね、小学生男子が剣術アニメなんて見たらやることはひとつ。
天翔龍閃は何度も練習しましたよね……えぇ。もちろん、二重の極みも。
失礼、間違えました。
それから数年経って逆輸入的にコミックスを集め始め、今でも実家にはコミックスが全巻揃ってるはずです。そんな思い出深いるろ剣の企画展、楽しみでこの日がくるのをずっと待ってました。
それじゃ、行ってきます。
見るたびに泣けてくるから困る
るろ剣はひとつの作品で多くのテーマを扱ってる作品ですが、るろ剣展ではわかりやすく5つのテーマ別に名場面を生原稿とともにまとめて展示していました。
仲間とは
剣心の仲間といえばヒロインである神谷薫を始め、魅力的な人物で満ちています。
思えば左之助も斉藤も蒼紫も、剣心の仲間キャラはみんな一度は敵として立ちはだかってたんですよね。だからこそ仲間として歩んでいく道のりには多くの場面があるわけで。一方で、見方を変えれば志々雄と十本刀もまた、仲間だったといえるでしょう。
あまり写真貼るとアレですが、これまた名場面がたくさん見られて、なんだか見ながらこみあげてくるものがありましたね。
正義とは
和月先生のコメントにもありましたが、勝ったほうが正義っていうわけじゃないんですよね。むしろ、正義と呼ばれる物の陰には常に虐げられた敗者がいて、幕末という動乱の世における正義とはいったいなんなのかということについてはずっと描かれていたように思います。
志士には志士の、人斬りには人斬りの、そして志々雄には志々雄の正義があって、それらを大人になって振り返るとまた違った見え方がしてきますね。
強さとは
いろいろな強さの形があると思うんですが、やっぱり強烈なのは志々雄のこのセリフですよね。現代にも通ずる、一つの強さの正解だと筆者は改めて思いました。と同時に、それ以外の強さっていうのもやっぱりたくさん存在するんだなと。
この作品における明神弥彦の役割って、和月先生も述べている通り剣心を継ぐ人間になっていくことなんですよね。最初はがむしゃらに強さを求めすぎてから回っていた弥彦が、徐々に自分なりの強さを見出していく。強さって剣の腕だけじゃなく、心の強さや信じられる仲間が居て初めて得られるものなのかなということに、大人になって気づきました。
命とは
色々と書きたいことはあるんですが、やっぱり逆刃刀を見られたというのが筆者にとって一番の収穫です。もうね、生きてるうちに本物の刀鍛冶が打った逆刃刀なんてとんでもねぇ代物が見られるってだけでワクワクが止まりませんでした。
実際に見る逆刃刀は文字通り逆に刃が刃が付いてるという異様な代物なのに、不思議と吸い込まれるような魅力に溢れていてずっと見惚れていました。
命ってなんだろうなということに対するこの作品の解答は、ずばり繋がりなのかなと。巴を殺めてしまった剣心、人誅を誓った雪代縁、縁との対決に打ち勝って剣心と薫の間に芽生えた命。命っていうのは全部一本の糸で繋がっている、そういうことをこの作品に改めて教えられたような気がしました。
幸せとは
幸せ。英語で言うとハッピー。剣心にとっての幸せは、帰る場所があってそこに生きて帰ることができること、そこに大切な人が待っているということなんでしょうね。人斬り抜刀斎でも流浪人でもない、緋村剣心としての幸せを象徴するのが、このページにあると思います。
しかしながら、人の幸せというのは千差万別。愛する人の為に死ねるなら、それはひとつの幸せの形といえるのでしょう。駒形由美の死亡シーンに幸せという問いに対する別解を見た気がします。
北海道編もちゃんと読もう
名場面を抜粋してるから当たり前といえば当たり前なんですが、もうどのシーンを見てもウルウルきちゃって困りますね。最後は現在連載中の北海道編のまとめ。筆者は北海道編未履修ですが、これ見たらもう読まずにはいられない!! って感じです。
十本刀の生存メンバー再集結とか。もうね、こういうの大好物ですからホント。
とりあえず近いうちにコミックス買ってこようと思います。
規模としては決して大きくない企画展ですが、それでも作品をいろいろな角度から紐解いていて読者としてこれ以上ないくらい素晴らしい展示でした。思い出補正という話をすれば、やっぱり当時アニメ見てたこととかコミックス読んでたこととかいろんなことが思い出されてきて、やっぱりるろ剣って面白いマンガだよなと気づかされましたね。
あの頃ホウキで天翔龍閃を繰り出そうとして怒られたあなたも、二重の極みを練習して手を痛めたあなたも、四乃森蒼紫の夢女だったあなたも、純粋に刀匠が打ったひと振りが見たいあなたも、こんなご時世ですが時間とお金に余裕があれば是非足を運んでみては。