ゆたんぽを抱いて寝る。

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末廣亭で桂宮治真打披露興行(十日目)を見てきました

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カーテンコールで勢揃い(見切れてるのは小痴楽師匠)

 

コロナにも負けない集客力は人気の証

2月20日新宿末廣亭で行われた桂宮治師匠の真打披露興行を見てきました。

14時半頃に整理券を貰いに行ったら、番号は160番台。末廣亭はこの興行に合わせて客数100%でしたが、それでも開場1時間前にこんなに整理券が捌けたのは、ひとえに宮治師匠の人気が為せる業なんだなぁと素直に感じました。

2月半ばにしては程よく暖かく、待つのも苦にならないくらいの空模様。

開場まで近くの喫茶店でのんびり待ってました。

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成金メンバーはみんな仲良し

この日の出演者はご覧の通り。

 

成金メンバー交互出演、本日は以前筆者が披露目をここ末廣亭で見せていただいた柳亭小痴楽師匠が出演。

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かけた噺は「蔵前駕籠」でした。小痴楽師匠の演る調子の良い古典落語が筆者は本当に好きで好きで。こういう随所で笑えてサゲでクスリと笑える、そんな噺は本当にぴったりだなと見ながら思いましたね。

仲入り前に上がったのは桂文治師匠。

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大きな身体と愛嬌のあるお顔が特徴的な噺家さんなんですが、言葉遣いがすごく丁寧なんですよね。それでいて、滑稽噺をかけるとあっという間に客席を笑いに引き込んでいく、筆者の大好きな師匠です。

そんな文治師匠がこの日演ったのは「鈴ヶ森」

間抜けな追い剥ぎが出てくる非常に古典落語らしい面白おかしい噺なんですが、文治師匠が途中で入れるくすぐりが面白すぎて(あんまり笑っちゃ失礼なのはわかってるんですが……)ゲラゲラと笑ってました。余談ですが、次の日弟子の空治さんが浅草演芸ホールの前座で鈴ヶ森をかけたんですが、師匠のギャグをしっかり盗んでましたね。

芸は盗むもの。金言ですね。

 

大爆笑の口上、そして真打の高座へ

本日の口上は小痴楽師匠が司会を務めました。そして、高座にはこのあとゲストで上がる山田邦子さんの姿が!!

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元祖女流モノマネ芸人と言えばこの人と言わんばかりの、筆者の中ではもう伝説的な存在の人です。黒紋付に身を包んだ山田邦子が筆者の見えるところに座ってる。もうなんかそれだけで感動モノでしたよね。

口上はと言えば、初日から漫談大会やってると言われ続けた桂伸治師匠が今日も絶好調。弟子の話なんてそっちのけで自分の思い出話を延々と話すっていう。それだけなら良かったんですが、この日は三遊亭笑遊師匠が一緒だったのが良くなかった(良かった)。二人揃って巫山戯まくるわ笑遊師匠が初対面の山田邦子を弄り倒すわで、もうはちゃめちゃ。

そんな中、「僕は真面目にやります」と宣言した文治師匠。

その口上は、聞いていて本当に心打たれるものでした。理事としてもっと早く抜擢で真打にしてあげたかった。でも、協会の意向でなかなかそれが叶わなかった。そのおかげでこうして窮屈なタイミングで真打になってしまった。それは全部落語芸術協会という組織の責任であり、理事である自分たちの責任だと。高座でお客さんを前にしてそう言い切った文治師匠の言葉は、本当に響くものでした。

 

大爆笑のまま口上が終わり、いよいよ終盤に向けてラストスパート。

山田邦子さんのモノマネネタはホント、あの頃テレビで見た山田邦子がそのままそこに居ました。もうそれだけで感動ですよね。綾瀬はるかから始まり、淡谷のり子瀬川瑛子、もちろん松田聖子にバスガイド。デビューから40年以上ですって。びっくり。

しかも往年のモノマネを演りながら、コウメ太夫のネタを演っていくっていう、それで爆笑とってるっていう。もうね、本当にコメディアン。最高でした。

 

ボンボンブラザーズ先生がまさかの3分で終わるっていう前座なにやってんだみたいなお小言はさておき、いよいよ真打登場です。

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宮治師匠の高座は、以前から何度も拝見させていただいてました。当時まだ二つ目で、なんでもない時の寄席なんて言葉悪いですけど数十人なんて日もありました。そんな日でも、高座に上がってきただけで空気感がガラッと変わるんですよね。

いつだったか、末廣亭で見てた時に隣でずっと寝てるオッサンが居たんですよ。まぁ寄席と寝てるオッサンってセットみたいなものだから別にそれ自体どうってことはないんですが、宮治師匠が高座に上がった途端身を乗り出して見てたんです。それがすごい印象に残ってるんですよね。

 

披露興行中は毎日ネタを変えていて、この日は「大工調べ」

前にも書きましたが、この噺のキモはなんと言っても大家相手にズバババババーっとものすごい勢いで啖呵を切るところ。これぞ江戸っ子! って感じの調子で一切噛まずに言い切れるかどうかっていうところが見どころなんですよね。宮地師匠は元来、こういう勢いのいい落語を演らせたら天才的な噺家です。もうね、お見事。拍手喝采でしたね。

何十席、何百席と演ってきて磨きに磨かれた大工調べ、本当に聞いていてスカッとするような落語でした。

 

大歓声……はこのご時世なので無しでしたが、代わりに割れんばかりの拍手で閉幕。鳴り止まない拍手に再び幕が上がり、末廣亭千穐楽ということもあり他の出演者たちも勢揃いの、特別なカーテンコールになりました。


真打昇進披露興行末広亭千穐楽 本当にありがとう御座いました! 10日間2階席まで大入り😭💕 感謝しかありません✨ お返しに… 山田邦子さんの楽屋トーク ナナ姉さんのエロ衣装⁉ 口上全て撮って出し!

落語会を背負って立つ大きな看板、その門出をこうして見られたことがなにより嬉しい、そんな1日でした。

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