らくだを見たら飲まずには居られなくなるから困る
上野鈴本演芸場、8月上席夜の部は主任が古今亭菊之丞師匠でした。
『菊香盛夏賑』と題した菊之丞師匠の得意ネタ9選ということで、出来ることなら毎日でも足を運びたいところでしたが、流石にそれをやるには仕事を一週間以上休まねばならず。それは無理でしたが、なんとか都合をつけて8日と9日にお邪魔してきたわけです。
で、8日にかけたのが古典落語の名作「らくだ」
落語が好きな人がこの記事を見たら「例題に談志を持ってくるな」と怒られそうですが、まぁそこはそこ。やっぱり好きなんですよ談志師匠。叶うなら生で高座を見たかった……
と、話が逸れました。
この「らくだ」という噺、最終的に酔っ払いが大暴走する噺なんですがこれがまぁープロの噺家ってのは凄いわけです。筆者の中で酔っ払いの天才は何人もいるんですが、菊之丞師匠もその1人。見てるこっちまで酔っ払ってきそうな、そんな噺を見せられたらもう飲まずにはいられないッ!
……と思ったんですが、例の緊急事態なんちゃらかんちゃら。20時で幕が下りてそっから飲める店が1軒もねぇと来たもんだ。疫病退散はよ願います。
真打の大ネタなんてのは聞きたいと思ったら聞けばいい
その話には続きがあるんですが、それはまた後日。
改めましてこんばんは、滑稽噺も好きだけどたまには人情噺でほっこりするのも好きなLITさんです。
日頃から寄席に足を運んだり、最近はオンラインで落語会を見たり、こんなご時世になる前は独演会に行ったりと、まぁ好きで落語を見てる筆者です。そういう話を他所ですると、「落語聞いてみたいなー」なんて話をされたりするものです。人が好きなものに興味を持ってもらえるのは嬉しいもんですね。
じゃあ、どんな噺を勧めたらいいのかと色々と考えてました。落語聞いたことがない人にとって一番のハードルってなんでしょう。個人的にはね、やっぱり時間だと思うんですよ。30分や40分、1時間のネタを最初から聞くのはやっぱり大変。出来ることなら10分かそこらで終わってくれると聞きやすくていい。
あと、オチのわかり易さ。出来れば滑稽噺で笑えるオチだと尚良い。
そう考えると……なるほど、前座噺が丁度いい。
厳密には前座噺なんてジャンルは無いんですが、前座さんが入門して最初に習う噺、5分か長くても10分くらいのネタをそう呼んでるわけです。そんな前座噺で、筆者が好きな噺を3つほど紹介したいと思います。
1つ目は「つる」
本当なら映像付きの物を挙げたほうがわかりやすくていいと思うんですが、こればかりは亡き歌丸師匠の「つる」を聞いていただきたい。噺は分かりやすいし典型的なご隠居さんと与太郎の噺だし、登場人物も少なくて聞きやすい。
こういうのから聞き始めてはいかがでしょうか。
2つ目は「猫の皿」
こちらも、前座噺としては定番のネタ。寄席に行くと、前座さんが開口一番でこのネタをかけてるのをよく目にします。登場人物は茶店の親父と商人の2人とシンプルな構成だし、オチも分かりやすいし個人的に猫が出て可愛いので好きなネタです。
最後は「初天神」
これは少し長いバージョンになってますが、基本的には前の2つと同じでシンプルな登場人物、分かりやすい滑稽噺と非常に聞きやすい噺になってます。なにより、このあたりから一之輔師匠に触れてもらえると個人的には嬉しいなと思ったりしてます。
初天神に関しては結構なバリエーションがあるので、1つ覚えておくといろんな落語会や寄席で楽しみが増えます。
他にも寿限無とか子ほめとか色々ありますが、とりあえずこのあたりで。
空き時間でサクッと聞いて、面白かったら他のも聞いてみたらいいんじゃないかなぁと思います。ではまた。