ゆたんぽを抱いて寝る。

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2022.6.12「nayuta 15th Anniversary Live 青の結び目 -Blue Knots-」レポその3(夜の部・その他)

夜の部も最高でした

 

前回

 

お待たせしました、夜の部です

夜の部は、スペさんの他にギターで藤屋さんが加わる三人体制になる。曲の振り返りは昼の部と異なる部分のみに限定するが、ギターが加わることで曲の厚みがグッと増すのがわかった。ピアノのみにはピアノのみの、ギター入りにはギター入りの良さがあって、後述する追加公演では更に進化した演奏が観られると思うと楽しみで仕方ない。

では、曲の振り返りに移ろう。カバー4曲が、昼夜で変更となった。

 

6.God knows...

「ざわ…ざわ…」カイジか? ってくらい会場の空気が揺らいだ気がする。いや、だってGod knows...って。オリジナルはご存知の通りバンド編成のこの曲を、よもやピアノとギターだけで演奏するなんてそんなこと出来るはずが……いや、そういえば4年前もやってたのか。もうこれに関しては藤屋さんの手元が観られる場所に陣取っていて本当に感動した。アコギでこれを演るのか……という衝撃を4年ぶりに感じた。

しかし、カバー1曲目にこれを持ってきてくれるなんて本当にありがたい。昼の部はyouという原点を持ってきたわけだが、God knows...涼宮ハルヒというキャラクターもまた、nayutaさんにとって大切な要素のひとつなのだから。

配信ライブでも、何度も聴いたGod knows...。大切な曲を、nayutaさんは本当に丁寧に歌う。バンドライブだったら歌って踊ってはっちゃけて、というこの曲を今回のアコースティック編成に合わせ落ち着いた雰囲気に仕上げてくれたのが、個人的に素敵だった。こういう変化を持たせられるようになったのもまた、歌い続けてきた成果なのだろう。

 

7.碧空

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スペさんの優しいピアノに合わせて、会場が碧(あお)に染まってゆく。空はゆっくりと青から橙へと変わっていく中、そこに藤屋さんのアコギが加わる。そして、高く、透き通るようなnayutaさんの歌声。ゆったりとした、優しくて爽やかで、柔らかい時間が南港サンセットホールに流れていく。

「夏空オーケストラ」にも収録されているこの曲、これもまたnayutaさんの歌唱力が存分に発揮される曲だ。特にサビの透明感、これが本当に、本当に素敵だった。数あるカバー曲の中でも随一の透明感と親和性を持った楽曲。この曲を、空がよく見えるこの場所でのライブに選んでくれたセンスよ。

 

8.花に亡霊

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いやぁ……ここまで来ると何度この言葉を漏らしたかわからないが……ずるい。本当にズルい。これから夏が来る! という時にこの曲を持ってくるのは本当にズルい。選曲したのは筆者が大好きな映画「泣きたい私は猫をかぶる」の主題歌「花に亡霊」

ヨルシカの曲は何度もカバーして歌っているnayutaさんだが、まさかこれをチョイスしてくるなんて。

歌詞が描く、そして映画で描かれる物語を思い描きながら歌っているからだろうか、時折苦しそうに、悲しそうに歌う姿がたまらなく素敵だった。オリジナル曲はもちろんだが、カバー曲を歌う時はオリジナルに対するリスペクトやどれだけこの曲のことが好きなのか、そういうのがストレートに伝わってくるのが本当にいい。

夜の部のカバー4曲は立ちではなく座りだったというのもあり、より一層「歌う」というより「語りかける」感が増していたのも非常に良きポイントだった。

 

9.Ghost of smile

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サビの盛り上がりが本当に素敵で、聴いているうちにどんどん引き込まれていく感覚がすごかった。後の振り返りで「ピアノはピアノが映える曲を、ギターが入ったらギターを入れてやりたい曲を」選んだと語ったnayutaさんだが、本当にぴったりな選曲、そして素晴らしい編曲に仕上がっていた。

昼の部、夜の部通して改めて思ったこと。当たり前のことかもしれないが、nayutaさんが作る歌詞の世界の根底には、nayutaさんが好きな歌の世界があるのだろう。好きなものにいい影響を受けて、自分でも歌いたくなって、好きが高じて自ら詞を、曲を書くようになって。この曲も、nayutaさんにとってそんな大切な曲のひとつなのだというのが本当にまっすぐに伝わってくる。

これは推測でしかないがnayutaさん自身、ryoさんの詞にものすごく影響を受けているのではないか。この曲は特にそう感じさせてくれた。でも決してコピーでもただのフォロワーでもなく、そこにnayutaさん自身の思いや描く世界、伝えたい言葉が混じり合って、そうやってその時々のnayutaさんにしか描けない歌が出来上がっていく。

歌はいつまでも消えない、Blue Knotsに込められた思いが、この曲を通して伝わってきた気がする。

 

会場がエモすぎて住めるレベルだった

会場となった南港サンセットホールについても触れておこう。

「海の見えるホール」というキャッチフレーズが印象深い南港サンセットホール。関西というかイベントホールそのものに明るくない筆者は今回のライブで初めて知った場所だったのだが、会場に入った瞬間の衝撃は忘れられない。

両翼が全面ガラス張りになっていて、直射日光避けのスクリーンを上げれば文字通り海が一望できる。そして、天井が高い。とにかく高い。3階分ブチ抜きになっており、音の響きがとにかく凄い。実際のライブではピアノの音、アコギの音、歌声……とにかく全ての音という音が綺麗に、とてつもない広がりを見せていた。

更に今回、舞台のセットがとにかく美しかった。

今回のテーマカラーでもある「青」をふんだんにあしらった、究極に素敵でエモくてこだわり抜いた舞台のセット。ここに照明の効果が加わり、ライブ中はずっと特別な場所に居るんだという没入感がすごかった。振り返り配信で新たに判明した事実だが、まさかこのセットの中に1つだけ追加で有志から贈られたアイテムが混じっていたとは。驚きである。

 

中央も良かったし、下手から見るのも良かった

ありがたいことに若い番号でチケットを手に入れられたので、第一部は最前中央、第二部は最前下手側で見ることが出来た。そこで感じたのは、見る角度によってライブってこんなにも楽しみ方がガラッと変わるんだということである。

中央の何がいいって、それはもうnayutaさんとの距離が近いということだ。手を伸ばせば届くくらいの距離で、時には楽しそうに、時には歌に入り込むあまり苦しそうに歌うnayutaさんの表情が見られる。リアルイベントの醍醐味って歌い手や奏者の『表情』を見られるってことなんだなぁと改めて感じた。

じゃあ下手(もしくは上手)がダメかと言うと全然そんなことはなく。下手からだと、nayutaさんが居て後ろに藤屋さんという構図に映る。夜の部後半は日が落ち、照明に切り取られる2人(と視界の外のスペさん)をずっと見ていられる。この幻想的な風景を堪能できたのは、下手側という座席だったからこそだ。もちろん、上手側からであればnayutaさん、スペさんという構図を楽しめる。そういう違いを発見できたライブになった。

 

総評

昼の部、夜の部通して参加しての感想になるが……本当に素敵なライブだった。

nayutaさん自身の「歌うことが好き」という気持ちがどこまでも溢れていて、会場でそれを共有できたことがなにより嬉しい。4年前よりもずっとずっと成長して、4年前から――いや、15年前からずっと変わらない「好きなことを全力でやる」というnayutaさんの姿は、観ていて本当に素敵だった。

オリジナル曲を多く配置して構成された今回のセットリスト。それが出来たのも、4年前から更にたくさんの曲を生み出し、歌い続けてきたからこそだ。努力が、継続が、経験が全部縁となり結び目を作って、過去と現在、そして未来を繋いでいく。それを見事に体現してみせた最高の15周年記念ライブだった。

素晴らしい歌を届けてくれたnayutaさん、最高の演奏で支えてくれたSperioNzさん、藤屋さん、本当に本当にありがとうございました。

 

長かったレポも次回でおしまい。

良ければもう少しだけお付き合いくださいませ。

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