いい旅でした
思いつきは唐突に
朝起きて、洗濯機を回して、洗濯物を干して、家を軽く掃除して、ご飯を食べて。
そこまでやって、やることが尽きてしまいました。みなさん、これがネット環境がない中で生きることを余儀なくされた社会不適合者の末路ですよく覚えておいて下さいテストに出ますよ。
天気は良い。どうやら今日は暑くなるらしい。そう聞くと、ロクに外にも出かけたくなくなるものです。と、そこでひとつやらねばならないことを思い出しました。
原付に給油しなきゃ。
そう言えば燃料がすっからかんでした。引越してからこっちまだ給油をしていなかったので、そろそろ給油しなきゃとずっと思っていたのを思い出し、それなら給油がてらどこかに行こうじゃないかと思い立ちまして。
色々と調べる中で、パッと目に留まったのが江の島でした。
そうだ、江の島でしらす丼食べよう。
電車賃も馬鹿にならんし、せっかくだから原付で行こう。そうと決めたら話は早い。最低限の荷物をリュックに詰め込み、原付にまたがってさぁ出発です。数年前の浄土ヶ浜の時同様、歩くのにちょうどいい作務衣スタイルで国道1号線をひたはしります。
首都高回避チャレンジの連続
江の島までは川崎→横浜→鎌倉と通過していくわけですが、なにしろ初めての行程。道なんてさっぱりわからないので、Google先生に頼り切りです。Google先生が右に曲がれと言ったら右に曲がり、アンダーパスを通れと言ったら素直にアンダーパスに潜ります。決して側道になんて逸れません。だって法律もいいって言ってるから。
しかしながら、怖いのは「間違って高速道路に侵入してしまう」ことです。皆さんご承知の通り原付――正確には原付一種と呼ばれる50ccバイクでは、高速道路に乗ることは出来ません。もちろんルート案内において有料道路や高速道路を外すようにはしていますが、とはいえ示されたルートからほんの一本外れただけで簡単に首都高に吸い込まれてしまうのが首都圏の恐ろしいところ。何度か危ういポイントをくぐり抜けつつ、なんとかかんとか無事江の島にたどり着けました。
ちなみにGoogleマップの最短で行ったら何故か大黒ふ頭、本牧ふ頭方面から攻めるというルートを案内されるっていう。トラックやトレーラーに抜かれるのはもう慣れっこでしたが、港湾区画や高速道路の下をずっと走っていたせいで一生コンビニが無いっていうピンチに陥りました。危うく目的地を前にして尊厳を喪失するところでした。あぶねぇ。
広い海! 青い空! 半裸のサーファー! これが江の島か……
海の近くに原付を停め、とりあえずは砂浜へと降り立ちます。
都会の海はゴミだらけという勝手なイメージが先行していましたが、江の島の砂浜はとても綺麗でそれでいて治安も非常に良さそうな雰囲気。まぁまだマリンスポーツのオンシーズンってわけではないからかもしれませんが。とにかく沖合には波に乗るサーファーと小型の帆船がたくさん浮かんでいて、あぁこれが江の島の海なんだなぁと見ていて非常に楽しかったです。あと今日が作務衣に雪駄スタイルだったのもあり、熱された砂浜を久々に歩いて楽しかったです。
一方で観光客、こと外人が多いのなんのって。あとそいつらのマナーが壊滅的に終わっててなんだかなあという気持ちで眺めてました。江の島というか江ノ電というかとある駅の近くの踏切が、いわゆる聖地的な場所になってるんですよ。ほら、去年映画もやったあの世界的なバスケ漫画のあれです。筆者も一応知っているのであわよくばと通り過ぎてみたんですが……なんかとんでもない数の人間が道路で好き勝手写真を撮りまくってて「だめだこりゃ」と思いながら撤退してきました。まぁ通り過ぎただけですが一応それっぽい景色が見られたので筆者としては満足です。
しらす丼! しらす丼じゃないか!!
バイクを走らせつつ、江の島大橋をわたります。ちなみに浜通りに出るまで死ぬほど道が混んでいたのですが、大橋まで来るとかなり空いていてよかったですね。嬉しかったのは、バイク用の無料駐輪スペースがあったこと。車は駐車場1日2,000円みたいなザ・観光地って感じの価格だっただけに、これは原付で来て正解だったなと思うばかりでした。
幾つか店を覗きつつ「生しらすあります!」のお店へ。支払いが現金オンリーだったのもあってか、変な外人観光客が居なくてよかったです。お昼時を少し後ろにズラしていたのも功を奏し、待つことなく席につきました。
さて、とりあえず生しらす丼を頼むとして……いや、生だけでいいのか? せっかくだから、釜揚げも食べ比べてみたくないか?
ということでこういうのが出てきましたとさ。
いやもうね、全部が美味い。ネギトロは美味いし釜揚げも美味いし、ほぼ初めて食べたであろう生しらすはまじで美味かったです。もう言葉は不要。ただただ美味い。それだけで全て伝わることでしょう。ほんとに来てよかった。
そしてもう一品。
このハマグリがねぇ、たまらなく美味かったのよ。
遊びに行ってあまり金の話をするのもどうかと思いますが、これ2個で1600円するんですよ。たけぇんですわ。でもね、全然わかる。これは1個800円の味。口に入れた瞬間濃厚な貝の味が波となって口の中に押し寄せる感覚。味蕾というサーフボードを使って見事この波を乗りこなしたあとの満足感たるや。
惜しむらくは、バイクで来てたので酒が飲めなかったことでしょうか。次は公共交通機関で来ます。もしくは誰か連れてって。
江島神社で金運アップ!?
せっかく江の島まで来たのですから、ちゃんと土地の神様にも挨拶しないとバチがあたるというもの。
人の波に乗って参道の商店街を抜け、長い長い石段を登った先に江島神社の本殿はありました。
境内の撮影はご法度なので写真はありませんが、人もそこそこ居て賑わっている様子が見て取れました。筆者もお賽銭を入れて、神様へご挨拶。
5000兆円下さい……5000兆円下さい……
江島神社は弁財天を祀っているようなので、きっとこれで5000兆円は無理でも10億円くらいは当たることでしょうえぇきっと。頼みますよ弁天様。
プチツーリングも江の島も全部全部満喫した
家から江の島までは、途中休憩もしつつ3時間以上。まぁ都内からですからどこから行ったってそれくらいかかるんでしょうきっとしらんけど。行きと帰りで途中のルートを変えたのですが、個人的にはどっちも一長一短という感じで楽しかったです。行きのふ頭ルートはあまり混まない反面、しばらく高速道路の下をずっと走り続けるので肌寒いやらおひさまが見えないやらでちょっと無念さがありました。あと前述の通りコンビニがまじでねぇので漏らす危険性がつきまとってましたね。帰りはずっと国道1号線を通ってくるというシンプルなルート。街中なのでコンビニは寄り放題だし道も整備されていて走りやすかったんですが、いかんせん混む。土曜日だからというのもありますが、めっちゃ混む。快適に走りたいならふ頭から抜けてきてモノレールと並走するルートのほうが楽しいかもしれません。総括としては原付で走るのに非常にいい街でした。車じゃもったいない。ありゃ原付だ。
そして、悲しいかな悪質なすり抜けマンの多いことよ。信号待ちの間に一体何台から追い抜かれたか。冗談抜きで100台近くすり抜けていった気がします。チャリならいざ知らず(ダメはダメですが)あれを大型バイクでやる人間の気がしれません。筆者は誰がなんと言おうと、車と一緒に待ちます。だって怖いし。黒塗りの高級車にぶつけても責任取れませんし。
江の島そのものも、見て回ってとても楽しいしちょうどいい広さでした。もちろん水族館に行ったり他のスポットや海岸沿いをもっと走るとなれば1日で足りないのでしょうが、日帰りでもかなり満足できる楽しい場所でした。いやぁ良かった良かった。