ゆたんぽを抱いて寝る。

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猫のこと、本のこと、アニメのこと、野球のことetc...思いついたまま、気の向くままに。

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2024.9.1 向島墨亭「桂文治の会」

相変わらずいい笑顔(文治師匠のTwitterより)

 

思えば墨亭の日ずっと雨降ってんな

台風が来るんだか来ないんだかという天気の日曜日。筆者はひと月ちょっとぶりに曳舟駅に降り立っていました。家からバスと電車を乗り継いで来るのにも慣れたものです。裏で別の落語会と思い切りブッキングしてしまって悩んだんですが、墨亭のアットホームな雰囲気と文治師匠の寄席ともまた違ういい意味で肩の力が抜けた高座に惹かれてこちらに軍配が上がりました。

曳舟駅を出る辺りから雨足が強くなり、墨亭に着くまでに着物が軽く湿るなどしましたが、なんとか無事に到着。夏の終わりと秋の始まりが入り交じるこの季節、果たしてどんな噺が聞けるやら。

 

落語はこういうのでいいんだよな、うん

文治の帰宅騒動記

根多帳に書いてあるんだから、正真正銘の1席目はこれです。台風が近づく最中、駅で待たされるわ交通機関に振り回されるわ、本当に大変だったんだなというのがひしひしと伝わってくる高座でした。ほんとね、みどりの窓口撤廃は失敗だったんじゃないかと思います。帰省シーズンになると長蛇の列ができているのをよく見かけますからね。そんなドタバタもしっかりと根多に出来るんだから、噺家ってすごいものです。いやぁ笑った笑った。

 

あくび指南

ろくに稽古も出来なかったという旅から帰っての墨亭だったみたいですが、あくび指南はこっちまであくびが出てきそうな噺ですが、そこはさすが文治師匠。笑いが随所に散りばめられていてあくびなんて出る暇がありません。そもそもあくびのお稽古ってなんじゃいっていう面白からスタートするわけですが、四季のあくびってなんだよとか突っ込んでる間にどんどん笑いに巻き込まれていく。いいスタートです。

 

長命

しまった。昨日の記事で「短命」と書いてしまったが十代目文治一門は「長命」だった。そう、先代の一門というか芸協は「長命」なんですよね。なんだったら先代の十八番のひとつでしたね。そんな文治イズム全開のこの根多、シンプルな噺だからこそずっと笑っていられる魅力的な噺です。落語って、こういうのがいいんですよね。世間様を面白おかしく笑って皮肉って、江戸の街の活気とか風景が目に浮かぶようです。筆者はこのままいくと長命待ったなしです。

 

かぼちゃや

仲入りを挟んで、トリ根多もまた先代文治師匠から受け継ぐ得意根多の「かぼちゃや」

上を見るって言われて本当に上を見ちゃうところとか、6尺の天秤棒担いで狭い路地に入っちゃうところとか、与太郎って本当に憎めないいいキャラなんですよね。そんな与太郎を演らせたら文治師匠はやっぱり天才。これは師匠が前に解説してたんですが、与太郎って馬鹿じゃないんですよね。だからこそ、前に買ってくれたおじさんのところにふらっと入り込んでいったり、なんだかんだ卒なくこなせるところはこなせたり、愛されるんですよね。いやぁ、いい「かぼちゃや」でした。

 

次回は10月末。果たしてLITさんは参加できるのか。それはまた、その時のお話。

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