こういう物語がいいよね、うn
一般文芸に手を出すのはいつぶりか
本屋大賞を受賞して話題になっていた「成瀬は天下を取りにいく」
滋賀県は大津市、膳所を舞台にして、主人公成瀬とその周りの人物たちとのちょっと変わった日常を描いた作品だが、これが見事に面白かった。白状すると、最初は完全にネタのつもりで買った。「天下より先に単位を取りに大学へ行け」という内輪ネタをやりたいがために買ったのに、気付いたらあっという間に読み干していた。
閉店する西武デパートの中継にずっと映り続けてみたり、いきなりお笑いを始めてみたり、とにかく思いついたらすぐやる、というか周りが認識したときには既に行動を始めている成瀬の行動は実に痛快で、尚且つそれが絶妙に完璧なハッピーエンドに着地しないあたりのリアルさと言うかフィクション過ぎない展開は、異世界転生に染まりきったラノベの住人と化した筆者には懐かしくも楽しい物語として受け入れられた。いやまぁ異世界転生モノにはあまり食指が伸びないわけだが、それはそれとして。
とかく成瀬の行動はいつだって破天荒と言えるほど破天荒ではなく、かといって常識という枠を軽々と飛び越えていくようなものばかりであった。あるいは成瀬のように周りに媚びることなく、迎合することなく、孤独ではなく孤高でありたいという羨望にも近い眼差しで成瀬と向き合った時間は、間違いなく楽しい時間であった。
いつか舞台になった膳所の街へ行くことがあったら、今はなき西武デパートの跡地を巡りながら成瀬の吸った空気を感じたいものだ。それと、続編の「成瀬は信じた道をいく」もちゃんと読まねば。
……という話を親父にした。
「この間滋賀まで遊びに行って、膳所の街を散歩してきた。聖地巡礼」
この親父、やりおる。
ウィザーズ・ブレインは絶賛Ⅳの読み直し中です
最早Ⅳまで来ると、展開どころかキャラの造形すら忘れてるまである。人形使いの特性やら設定やら、もういっそ初見で読んでますの気持ちで読んだほうがいいんじゃないかレベルですっぽりと抜け落ちている。抜け落ちているがしかし、確実に記憶の奥底でデジャヴに近いなにかを感じているので、間違いなく20年前に読んでいる。
エドワード・ザインが螺子を飛ばして戦うというスタイルは間違いなく見覚えがあるし、錬がズタボロになりながらヘイズと相対してる場面もかすかに覚えている。だから間違いなくここまでは読んでるハズである。とはいえ、本当に初見に近い気持ちで読めているのでこのまま順調に読み進めていこう。何より、今のところ主要人物が一人しか増えていないのが助かる。もう本当に脳内CVが限界だ。特に男性声優、こと青年~中年の間くらいのバリエーションが。
脳内CVメモ
今週のお題「好きな小説」