ゆたんぽを抱いて寝る。

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【読書記】少年時代フルメタの原作情報からメリダ島の位置を探した程原作大好きおじさんが「フルメタル・パニック!Family2」を読んで最高な気分になった

大満足ですよ

 

早くも2巻が出る喜び

1月に発売し大好評だったフルメタの正統続編「フルメタル・パニック!Family」

感想記事は過去に掲載したとおりです。

l-i-t.hatenablog.jp

その2巻が早くも出たというのだから、そりゃあもう筆者も発売日にキッチリと手に入れまして。ガッツリ読んでどっぷり浸かってたっぷり笑ってしっぽり読みふけってその良さをぎっちりと接種したこのタイミングで、感想記事になるわけですよえぇ。

例によって感想記事と銘打ってますが、ただただフルメタと共に育った原作大好きおじさんの回顧録みたいな記事ですので、そういうのは許せない、20年経っても宗介はテッサと結ばれるべきだった、ボン太くんにはやっぱりウィスパードの技術が使われてるに違いないなどという主張を繰り返す方はお帰り下さい。

 

風間無くしてフルメタは語れない

卒業から20年経った風間君が、まさかVtuberになってるとは思いもしませんでした。いやまぁ彼らしいと言えば彼らしいですし、公務員になったってのも彼らしいですし(小野Dが学校の先生ってのも小野Dらしいですが)、ちゃんと独身のままってのも1巻の瑞希同様風間らしいなと思ってしまうあたり、本当に賀東先生はキャラクターのことをよくわかってらっしゃるなと。

そんな風間君のピンチに対して宗介が立ち上がるっていうのも、これまた至極当然のことなんだよなぁと思うわけです。作中で宗介が語っているように、風間君って陣代高校に潜入した宗介と一番初めに友だちになってくれた人物なんですよね。日本の常識が皆無でクラスの輪に入ろうともしない、あからさまに”危ない”人物だった当時の相良宗介に一番初めに一番フラットに接してくれたのは、かなめではなく風間だったわけです。その彼のピンチに立ち上がる宗介の姿は、年齢を経てもやっぱりあの当時から変わらない「友人」としての立ち位置なのだという非常に胸熱な1話目エピソードでした。

勿論というかなんというか宗介にVtuberなんざ務まるわけもないわけですが、そこはちゃんと彼の性格をわかっている風間君らしい仕掛けで、やっぱり二人の信頼関係って特別なんだなぁと思わせてくれましたね。

 

夏美も安斗も、やっぱり”この二人”の子どもなんだよなぁ

1巻の時点でAS乗りとして頭角を現していた夏美ですが、2巻では更にアジャイルスラスタまで使いこなし完全にアズール・レイヴンを乗りこなしているその姿は、完全に17歳当時の宗介を見ているようでした。思えば彼もまた、北朝鮮で初見のアーバレストを見事に操り、同じく初見のレーヴァテインをも軽々と乗りこなすという規格外れっぷりを見せつけてくれたわけですが、ややもすれば夏美はそれ以上の素質かもしれません。第3世代をベースにして更に進化を遂げた(恐らく)超絶玄人向けな機体を乗りこなしつつ、陸戦においてもチンピラやストーカー相手ではあるものの完璧な立ち回りを見せる彼女がこの先どうなっていくのか。

そしてそれを追いかけるようにその才能を開花させつつあるのが、弟の安斗ですよ。

虫が苦手だとか引き籠もりだとか1巻では”いかにもな現代っ子”として描かれる事が多かった安斗ですが(ドローンで襲撃部隊を撃退はしてましたが)、2巻では完全にドローンを駆使して敵を、しかもASを3機も、それも単独で排除するというとんでもない戦闘をやってのけているわけです。ゲーム作りや動画作成等は現実の小学生でもそれなりにできる子がいるのでさほど気にはしませんでしたが、和歌山の海で見せたドローン戦に関しては完全に「普通の小学生」の域を超えています。宗介じゃなくても感じますよ、”彼女のような天才”の素質を。指揮官タイプというか、戦闘を俯瞰しながら戦局をコントロールする支配力というか、そんな才能が彼に与えられているとしたら。

そんな安斗と父親を超えるやもしれない戦闘センスを持つ夏美が戦場に足を踏み入れる未来があるとしたら……もはや宗介の年に近い筆者としては、非常に複雑でなりません。とにかくこの世界は平和であって欲しい。ただただ、それを願うばかりです。ほんと、ミスタ・Kの名にまるで相応しくない小悪党みたいなのが生きたまま頭髪を切断されるくらいがちょうどいいんですよ。

 

みっともなく死に損なった3人にしか出せない空気感が最高だったのと、もう二度と見ることが出来ないという現実と

10代のギラギラした戦人だった宗介も、20年の時を経て徐々に老いを感じる場面が多くなりました。そんな描写が1巻、2巻と少しずつ見え隠れしているのがなんとも心苦しいような、それもまた自然の摂理なのだと自分に言い聞かせるような、そんな感想が目の前に浮かんでいます。

眠っていても敵襲に気付ける程の、あるいは敵襲に怯えて満足に眠りにつくことすらできなかった宗介が、ドア1枚挟んだ外まで迫っていたストーカーの存在に気が付かなかったというのは、紛れもない事実なんですよね。そんな父親の姿に夏美が何を思うのはか測りきれませんが、それでも確実に身体も感覚も衰えていっているのだという事実を突きつけられると、あの頃の宗介を見て育ってきた筆者としてはやっぱり複雑な気持ちです。でも、これは1巻でも思ったことですが、あの宗介がベッドで眠っている、熟睡しているという事実には本当に感動しかありません。あの戦いを生き抜けて、かなめと一緒になれて本当に幸せになったのだと確信させてくれます。

そして、もう一つ。

本作には1巻で未登場だったクルツとマオが出てくるわけですが……なんだろうなぁ、やっぱりね、フルメタの戦闘と言えばこの3人なんですよ。これは作中からの引用になりますが、宗介が最前線を切り開いて、マオが場をコントロールして、クルツが殿を務める。この布陣こそが最強で、このフォーメーションこそがミスリルのウルズ2、6、7の最強スタイルなわけですよ。武器が単分子カッターから9ミリ拳銃に変わっても、手足がM9のそれから生身に変わっても、やっぱりこの3人なんだよなぁ……と温泉での戦闘を見ながら涙が溢れる思いでした。

と同時に、こんな戦闘がもう二度と見られるかどうかわからないという現実。3人共年を取りました。マオは姐さんから母ちゃんになり、娘のクララがあの頃のマオに近づきつつあります。3,000mを軽々と射抜く狙撃の世界においてクルツの腕前は確実に衰えていくわけで、宗介だってあるいは本当にアズール・レイヴンを乗りこなせるのか、夏美とどちらがより上手くアズールを扱えるのかわからないわけで。

そんな3人だけど、マオ姐さんの言葉が本当に良かったです。

みんなみっともなく年を取って、みんなでジジィとババァになった。老いは確かに悲しいことではあるけれど、明日死ぬかもわからない、来年まで生きられる約束がなかったあの時代を思えば、みっともなく衰えていくことはあるいは幸せなことなのだと、20年の月日を経てそう思わせてくれましたね。本当に、本当にいい続編でした。

 

あとテッサが無駄に苦労しまくってるのは、なんというか相変わらずドジというか天然というか色々と”持ってる”なぁと笑ってしまいましたね。そんなテッサも交えての3巻。いつになるかわかりませんが、楽しみに待ちたいと思います。

2巻の温泉シーンは最高でした。アレは宗介もキレていい。

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