
ネタバレしかありません
泣いても笑っても、今年最後のまっきーです
槇原敬之デビュー35周年イヤー企画第1弾「マキハラボ」
散々たる抽選結果の末、なんとかかんとか神戸公演に当たったので行ってまいりました。今まで見たことのないスタイルのコンサートにずっとドキドキしっぱなしで、途中何度も息をするのを忘れる。そんな思い出深いコンサートでしたね。
今日と明日は、そんなコンサートのレポ記事になります。
1つだけ注意なのですが、各曲のパートがかなりうろ覚えです。この記事に辿り着いた方で「この曲にコーラスは入ってねぇよ!」「この曲のストリングス良かったのに入ってないじゃないか!」という優秀な研究員の方がいましたら、どうぞご指摘願います。
開演ブザーから始まるコンサートは初めてだったのでは?(cELEBRATIONは未確認)
5分前に開演のブザーが鳴り、会場の空気感がガラリと変わった。席について待っていると、時間になって全身を白衣に包んだ研究員――ミュージシャン、コーラス隊が席につき、音合わせに入る。これまでのマッキーコンサートにはない、アンプラグドなコンサートらしい光景だ。そもそも、全員が白衣のコンサートというのも初めてなのだが。
そして、音合わせをする研究員の後ろからゆっくりと現れるマッキーもまた、同じく白衣姿。全員の音が合い、マッキーが所定の位置につき、そして――
冬がはじまるよ(Pf.、Str.、Perc.、Cho.)
「1,2,3,4」掛け声とともにピアノ、弦楽、パーカッションの音が一斉に鳴り響く。初めての生楽器オンリーということでどんな曲調になるか気になっていたが、ちゃんと「マッキーの曲」として成立しているのだから、さすが音響監督トオミヨウ氏の手腕である。
厳選された音源だからこそ、マイク越しのマッキーの声がよく響く。今まで幾度となくコンサートには参加してきたが、どのコンサートよりもマッキーの声が近く、はっきりと聞こえる。サビ部分が思った以上に高いこの曲だが、この日のマッキーは調子がいい。自然な感じで歌えていた。その歌声がピアノの音に、ストリングスの音に、パーカッションの音に、そしてコーラス隊と溶け合って、バンド編成とは違ったあたたかさを感じる。そんな素敵な研究発表会の始まりとなった。
今年の冬(Pf.、Str.、Perc.)
ネタバレ完全回避で挑んだこのコンサートだが、「冬がはじまるよ」「今年の冬」このどちらかは絶対に来るだろうと予想していた。久々の冬公演、これらの曲がぴったりな季節なのだから。そして、まさかの2曲連続予想的中に心躍る筆者。
アンプラグドなシンプルな音源の中で、マッキーの声がどこまでも響き渡る。サビの高音が気持ちよく響いていて、冬のあたたかい恋の歌がスッと入り込んでくる。元々歌唱力の高さは知っていたつもりだったが、より一層この曲の良さというか物語の情景というか、そんなものが伝わってくる素敵な歌声と、演奏だった。
ミタテ(Pf.、Str.、Perc.)
MCでも言及していた通り、冬の曲が多いイメージのマッキー。だが、最近のコンサートは春夏に行われることが多く、冬の曲がセトリから外れることが多い。だからこそ、クリスマスが迫ったこの時期にコンサートが出来ることが嬉しいのだとマッキーは語る。そんな中、まさかの春の曲っていうね。
しかしながら、このミタテがとんでもなく良かった。個人的にはLovavle Peopleツアーに行けていないので初聞きなのはもちろん、この曲がずっと大好きでいつかコンサートで聞きたいと思っていただけに、ここで聞けて、それもこんな素敵な実験室の中で聞けるというのが本当に嬉しかった。
真理恵さんがカホンを奏で、コーラス隊がそれぞれパーカッションを担当するという構成に変わる。ピアノと弦、そしてパーカッションがよく合う春の曲に、マッキーの歌声が合わさり……最高のミタテになった。メロは原曲よりのシンプルな演奏で、サビに入った途端に弦楽やパーカッションの音源が加わるという演出がね……実にニクいアレンジだ。
長生きしよう(Pf.)
このコンサートはコンサートと銘打っているが、その実これは「実験室」の「研究発表会」なのだとマッキーは語る。デビューからずっとバンドメンバーと共に駆け抜けてきた35年間だったが(cELEBRATIONでもその時代ごとのマッキーバンドは健在)、こんな編成のコンサートは本当に初めてなのだ。だから、ピアノと自分だけという本当に実験的な挑戦も出来るのだ。
「長生きしよう」コンサートで聞くのは筆者も初めて。参考にした他の方のレポを信じるのであれば、そもそもコンサートで歌うこと自体が初めてという(TTT2ndは90年代縛りなのでそもそもレギュレーション外)。大嵜慶子さんのピアノとマッキーの歌声をめいっぱい堪能できる素敵な構成だ。この曲は子どもを思う親の歌なのだけれども、動物と一緒に生活しているとそういう物語にも思えてしまい、まっきーの歌声に思わず目頭が熱くなるのを感じた。本当に、素敵な演奏と歌声だった。
ピアノの大嵜さん、数々のアーティストのコンサートに参加したり数多くの編曲も手掛ける素晴らしいピアニストなのだが、特にこの曲と次の素直、そして林檎の花ではその実力をとめどなく発揮していたように思う。
素直(Pf.)
これだけ実力派のピアニストが参加しているのだから、もしかしたらやってくれるんじゃないかという筆者の期待を完璧に実現してくれた。だって、こんなにピアノソロが似合う曲は数多あるマッキー楽曲の中でもトップクラスのそれだから。
優しく語りかけるような口調で詩を紡ぐマッキーと、それを包み込むようにピアノを奏でる大嵜さん。二人の目配せや息の合った様子が、客席にもよく伝わってくる。宜候以降久々に松本圭司さんがツアーに帯同してくれているが、松本さんのジャジーな切り口とはまた違った、まっすぐなピアノの音色が本当に引き立つ演奏。だからこそ、歌詞の良さが十二分に発揮される。本当に素敵な「素直」だった。
林檎の花(Pf.、Str.、Perc.)
来年に控えたBuppuレーベル15周年ツアーに向けて、大事な一曲それが「林檎の花」だ。レーベル第一弾シングルにして、あの3.11の震災日にリリースという、それがまさに被災地となった東北と東京を結ぶ東北新幹線のテーマソングになっていたのだから。
この曲を青森(八戸だったか?)公演で聞いた時の感動はひとしおだったが、この日の「林檎の花」はそれ以上に素晴らしいパフォーマンスだった。とにかくマッキーの喉の調子がいいのに加え、楽器の音ひとつひとつが聞こえる構成なのもあり、素朴で、それでいてあったかいマッキーの歌詞が、歌声が、どこまでも優しく会場を包みこんでいた。
そしてピアニスト、いやミュージシャン大嵜慶子の魅せる圧巻のパフォーマンスが会場で見られたことに対する感動たるや。曲中で、どこからともなく聞こえてくるハーモニカの音。目を遣れば、なんと大嵜さんが片手でピアノを引きながら片手で鍵盤ハーモニカを演奏しているではないか。この曲にピンポイントであってほしい音源を、まさかピアノと同時演奏で見せてくれるなんて……いやはや、たまらなく素敵な物をみせていただいた。
君の名前を呼んだ後に(Pf.、Str.、Perc.、Cho.)
この曲が終わったら休憩タイムというアナウンスがマッキーから流れる。何度もトイレタイムって言っちゃうマッキーが可愛い。今一度フルメンバーが揃って演奏される楽曲は、アルバムEXPLORERより「君の名前を呼んだ後に」
これまで組み込まれた楽曲ではどれも素晴らしい歌声で彩ってくれたコーラス隊、その本領が遺憾なく発揮されたのがこの曲だったと言っても過言ではない。6人のプロシンガーがバックを務める豪華なコーラス隊の歌声はどこまでも重厚で、それでいて決して主役のマッキーを食うことはない。演奏と併せて曲をどこまでも厚く、深く盛り上げてくれるのがよく伝わってくる。
一番の見せ場は、ラスサビの入りだ。ピアノも、弦も、パーカスも全ての音が止み、マッキーとコーラス隊の歌声だけが、どこまでも神戸国際会館に響き渡る。このコンサートは度々息をするのを忘れる場面があったが、この曲も例に漏れず終わった後に息をするのを忘れていたことに気付く筆者なのであった。
休憩タイムはいつもの休憩タイムと言う名の漫談MCタイムではなく、緞帳が降りて本当に休憩タイム。レポは後半に続く。