
美味しいよね、南禅寺
『お豆腐屋さん』の原初記憶
突然ですが、皆さん豆腐は好きですか?
えぇ、バイオ2で一世を風靡しRE:2でも無事リメイクを果たしたあの豆腐
ではなく。

白くて柔らかい、鍋物のお供として定番中の定番のあのお豆腐です。読者諸兄の中で、未だにお豆腐屋さんで豆腐を買っているという人が果たしてどれほどいるのかと、ふと気になりました。筆者は子供の頃から豆腐と言えば親が近所のスーパーで買ってくるもの、という認識だったし、一人暮らしを始めてからも、豆腐はスーパーで買うものでした。特に疑問は持ちません。だって、豆腐を買う場所はスーパー以外になかったのですから。
月日は流れ、移り住んだ地域で昔ながらのお豆腐屋さんを見つけます。本当に何気なく前を通りかかっただけで、別段中に入ったり立ち止まったりしたわけでもなく、ただ通り過ぎただけです。そのほんの一瞬の出来事の間、筆者の頭に『お豆腐屋さんの絵』が浮き上がってきました。
場所は地元。幼稚園に上がるまで住んでいた家の近所で、祖母に手を引かれて歩く幼い筆者が向かった先が、お豆腐屋さんでした。店先に豆腐の入った水桶があって、豆腐屋の親父が立っている、そんなザ・お豆腐屋さんです。親父がおそらくはキンキンに冷えているであろう水桶から素手で豆腐を掴み、袋に入れて祖母に渡してくれます。その様子を物珍しそうに眺めていた記憶が、あの一瞬で浮かんできたのです。
果たして、その豆腐屋があったのかなかったのか。それを知るすべはもうありません。でも、それが実際になかった記憶だとしても、祖母と過ごした思い出がそこにあったのだと信じて生きるほうが、少しだけ幸せなのだと気付いた今日このごろです。
と、いい話風で終わればいいんですが。
よく考えなくても母親に聞けば一発ですよね。
LIT「●●の家の近くに豆腐屋なかった?」
母親「なにそれ知らない」
夢でした! 解散!
うまい豆腐は本当にうまい
キムチ鍋農家としては豆腐より厚揚げの方が好き。
こんばんは、LITさんです。
前段の通り「お豆腐屋さんの豆腐」というのに出会うまで随分と長い時間を要したLITさんですが、そこでお豆腐を買うという行為に踏み出すまでの一歩が、これまたとんでもなく重かった。
なんとなくですが、専門店ってハードルが高いものっていう認識ありませんか? お肉屋さんのお肉、お魚屋さんのお魚、八百屋さんの野菜。どれも店先に立っているのはその道のプロで、筆者の様な小市民の一見客ごときが踏み入ってよいのか。そんな感覚でお豆腐屋さんの豆腐も手を出すまで随分と時間がかかったものです。まぁあと単純に良いものは高いですしね。
前項のお豆腐屋さんとは別に、昔の仕事の関係で出入りしていたお豆腐屋さんがありました。そこのおからドーナツが美味しくて度々買って仕事場で振る舞ったり自分の家で食べたりしていたんですが、ここなら買える! そう思い、意を決して買ってみました。当時で一丁200円ばかし、豆腐の値段としたら決して安いものじゃありません。スーパーの特売なら一丁50円で買える、それが豆腐の価格だとずっと信じて生きてきたLITさんにとっては、それはもう大きな買い物でした。
水桶から掬った豆腐が入った袋を家に持ち帰り、さてどうやって食べたものか。いや、迷うまでもない。ここはシンプルに冷奴しかあるまい。
これがね、美味い。ちゃんと美味い。豆の旨味というのが、断然違う。ぶっちゃけ薬味も醤油も要らないくらいに、美味いんです。これは200円の価値があるなと、筆者の馬鹿舌でも秒でわかる、そんな美味さでした。と同時に思います。これは、このくらいの年齢になったから分かる美味さなのだと。学生時代だったら気付けない、豆腐が美味いという感覚に新鮮さを覚えたあの日の出来事。今度実家に帰ったら、地元の美味い豆腐を食べよう。美味いを重ね掛けしていこう。