ゆたんぽを抱いて寝る。

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2025.4.7向島墨亭「第6回 桂空治の会」

楽しい月曜でした

 

「桂空治の会」として墨亭の高座を見るのはこれがはじめて

昨日は浅草昼席で文治師匠のトリ芝居を見てきたという記事を書きましたが、今日は今日とて弟子の空治さんの墨亭の会を見てきました。

墨亭まで仕事場から1時間以上かかるので、例によって30分ほど早退けさせてもらいまして。いつもと違う路線を使った結果多少乗り換えに手間取りましたが、無事開演20分前に到着。木戸銭を払って階段を上がると、15人でいっぱいになる和室はすでに超満員になっていました。シンプルにすごい。そして客層が若い。空治さんが個人的に集客したのかはたまた空治さんのお客として付いてるのかわかりませんが、大入りは嬉しいものです。

二ツ目に上がってから、早いもので1年が過ぎました。平日開催が故になかなか来られず申し訳ない気持ちでしたが、ようやっと来られてよかったです。さて、今日はどんな噺が見られるやら。

 

やっぱり「文治一門」なんだよな

まんじゅうこわい 三遊亭げん場

開口一番で上がったのは、三遊亭圓馬師匠のお弟子さんのげん場さん。毎日小噺を作っては高座でかけているというだけあって、小噺のテンポや噺の引き出し方が上手い。初めて落語に触れる人にも優しいわかりやすく楽しい小噺がたくさんで良かったです。

噺の方はと言えば、定番まんじゅうこわい。仕草といい話し方といい間のとり方といい、前座としては完成され尽くしてる程にどっしりとした高座です。安心して聞ける、楽しいまんじゅうこわいでした。後で聞いたら、もう4年になるとか。結構前に寄席ではお目にかかっていたと思うんですが、いやはやこれは二ツ目になるのが楽しみですな。

 

天狗裁き 桂空治

見慣れた黒紋付で高座に上がる本日の主役。マクラはすっかり聞き慣れた、師匠11代目の愚痴が盛り沢山。かれこれ前座の頃からずっとでしたからね、楽しい愚痴をたくさん聞かせていただきました。世界中で当代桂文治にこれだけ食って掛かって正面から喧嘩出来るのは空治さんくらいのものです。まぁ、いつもの親子喧嘩ですので。

墨亭でかけたことがない根多を、ということで演ったのは「天狗裁き」。夢を見た見てないの問答で夫婦喧嘩から長屋の喧嘩から奉行所や天狗まで巻き込むっていうトンデモ噺ですが、お隣さんも大家もお奉行も天狗も、したり顔で「で、どんな夢を?」と聞いてくるあの表情と台詞が本当に面白い。客席も大いに笑ってましたね。この噺、夢オチではあるんですが夢オチだからこそ全員が本気なんですよね。おかみさんは全力でヘラるし隣家の男は全力で喧嘩するし大家も全力で追い出そうとするし。この真剣に意味のわからない問答やってる加減がよく出ているいい天狗裁きでした。

 

短命 桂空治

仲入りを挟んで食い付き根多は、短命。伊勢屋の旦那がまた死んだ、という物騒なところから始まるこの噺ですが、江戸の町人らしいバカバカしいちょっと下ネタな、小気味良い滑稽噺は聞いていて素直に楽しい。空治さん自体に滑稽噺がよく合うのか、はたまた文治一門の血がしっかりと通っているからなのか、台詞の一つ一つ、仕草の一つ一つが二ツ目昇進から一年経ってしっかりと成長している気がした。

文治師匠もよく演っていた短命、これは師匠から習った噺なのかな? と思って見ていたら……いやぁ、違いましたね。知ってる人なら誰もが知ってる、あのスタイル。まさかの歌春師匠の短命でした。もうね、見た瞬間大笑い。そっちかよ! って。

 

錦明竹 桂空治

最後は、安心安定の言い立てで拍手が起こるでおなじみ錦明竹。さっきの短命もそうなんですが、錦明竹なのか金明竹なのかどっちが正解か未だに分かっていません。とりあえず文治師匠が錦明竹だったので、その文治師匠に習った弟子の空治さんも錦明竹に合わせています。

今日の錦明竹は何がすごいって、浅草昼席でやってからここにきてる、そして2席演ったあとだってことですよ。一日4席の最後に錦明竹、それもしっかりフルで演るというからね、体力どうなってんですかと。前半部分は与太郎の断り文句に驚いた表情を見せる主人がとても滑稽で面白かったし、後半はしっかり言い立てを完璧にこなして拍手喝采。言い立ては合計3回やるんだから、そりゃあ喉もカラカラになるってものです。それでもしっかり言えるんだからやっぱりすごい。

表情のメリハリが上手くなったように見えた高座でした。どの噺もそうなんですが、仕草と表情がぐっと上手くなっていて、だからこそ噺の解像度が上がる。笑いにまっすぐ向き合う姿勢は、やっぱり滑稽噺を得意とする文治一門の血なんだなぁと思った、そんな会でしたね。

 

前座さんに祝儀を切るワケは

この会はげん場さんが前座で入るということを直前に聞いて、慌ててスーパーでポチ袋を買って向かいました。これは個人的に決めていることなんですが、二ツ目の会で入ってる前座さんには極力祝儀を切るようにしています。Twitterに書くのは野暮かと思いましたが、ブログならわざわざ好き者しか見に来ないでしょうからいいでしょう。

寄席仕事のあとに入ってるということ、夜遅い時間まで働いてまた明日も寄席に行くということへの労いもありますが、他にも理由があって。それは、主催している二ツ目の顔を立てるという意味があってのことです。高座仕事が増えて嬉しい気持ちはもちろんあれど、そこで例えば祝儀を貰ったとして、それがちょっとずつ風の噂になっていけばいいなと勝手に思ってるんですよね。決して多くは出せませんが、そうやって主催をした二ツ目さんが後輩からも慕われていい兄さん姉さんとして活躍していってほしいな、という気持ちから勝手にやってます。無論、前座さんに祝儀切って当人に渡さないわけにはいかないので(それこそ顔が立たない)ちゃんと二人に渡してます。もちろん、楽しい会を見せていただけたという気持ちを込めて。

たくさん笑っていい疲労感です。いい会をありがとうございます。

 

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