
当時は1ミリも見てませんでした
本気とは一体
仕事場に、ここ数ヶ月で入ったオッサンがいる。いや30代を何年も自称し続けてるお前もオッサンだろと言われればその通りなのだが、自分より年上は全部オッサンだと思ってるのでここではオッサンとしておく。40代だし。
そんなオッサンが、結婚相談所に登録して本気の婚活をしているというのだから、結婚というジャンルもまだまだ捨てたものじゃないのだとわからされる。だけど如何せん、このオッサンのどこに勝ち目があるのか筆者にはまるでわからないから困ったものである。
オッサンの見た目はといえば、伸ばし放題の癖毛に、脂っぽい顔の真ん中には眼鏡が貼り付いている。どうオブラートに包んだって整った容姿とは言えない顔立ちに、太っているわけではないが、痩せてもいない、だけど背丈は180センチを超えているから、やたら大きく見える体つき。偏見の塊だが、見た目勝負なところがあるであろう結婚相談所というシステムにおいて、この見た目で勝負をしようとしているのだとしたら、それは流石に舐めすぎもいいところではなかろうか。
そしてこのオッサン、絶望的にコミュ障が過ぎる。仕事場でもなんかずっと暗いのだ。雑談を振っても面白い返しがひとつも返ってこないし、口を開けばネガティブと後ろ向きだけが漏れ出てくる。何度も言うが、これで本気で婚活してると言ったら世の中の婚活男性から刺されても文句は言えないのではないか、と思ってしまうほどだ。
極めつけは、人の忠告を一切聞く気がないという点に尽きる。ウチの社長なんかは人の色恋が大好きな人間だから、そりゃあ本気で恋を実らせたいとあれこれ助言をくれている。それ自体は筆者個人の感想だとうざったいほっといてくれなんだが、それでも本気で成功に結びつけたいのなら少しは聞き入れるのが筋というものだ。というかそういう対人間のコミュニケートをしろ。何を言われても「いや」「でも」「だって」はモテないに決まっているだろう。
なんてことを思っていたら、今度そのオッサンを連れて社長が服を買いに行くという話になっていた。仕事場の若い女の子も連れて行くらしい。そしてその週末にはマッチングした相手とのデート(見合いと読んでいるらしいが)があるとかないとか。なんだその面白イベント。急に前のめりになってしまう自分がいたことに、驚きを隠せない。そうか、これが恋愛リアリティショーの楽しみ方というヤツか。オッサンの恋が実ろうが散ろうがどうだっていい。このドタバタの過程を無責任な第三者の目線でキャッキャと楽しむというエンタメに、今更ながら気づいてしまったLITさんなのでした。ちなみにオッサン、過去の見合いに何の疑いもなくポロシャツチノパンで行ってたとかなんとか。人の服装にとやかく言えるセンスではないが、いやそんな無課金キャラみたいな格好で行くやつがあるか。これは流石に本人に言った。
「そうですかねぇ」
オッサンが不思議そうに首を傾げただけでその日の会話は終わってしまった。
自分の結婚はいつまでも有料DLCだから
そんな事を言っておいてLITさんもこのまま行ったら独身&孤独死まっしぐらでしょいい加減結婚のひとつやふたつ考えたらどうなんだい。
そんなことを言われ――ることもようやくなくなりましたね。これが20代だったら「まだ20代で若いんだからもっと遊ばなきゃ。彼女の5人や10人作らなきゃ」なんて本気で言われたものですが、そこはご安心下さいの30代ですよ。もういい加減言われることもなくなりましたね。これもひとえに、筆者が「結婚をするかしないかはわかりませんが、少なくとも願望を抱いたことは生まれてこの方一切ありません」と宣言しつづけたが故の結果でしょう。皆さん言い続けるのは大事ですからね。
これはオッサンにも言ったことですが、「結婚」という手段を以てどんな目的を達成したいのかという話になるわけで。オッサンは「豊かな人生」とかいう風船ガムみたいにふわーっとした事をぬかしてましたが、じゃあその「豊かな人生」とやらを得る手段が本当に結婚だけなのかと。今流行りの推し活でもいいし、同性であっても人生を共に過ごしたいほどの大親友がいたらそれでいいのではないかと思ってしまうし、極論、1人で趣味に没頭することが「豊かな人生」だと感じられるのならそれでも良いわけです。まぁ最後のはLITさんなんですが。
これは前にも書きましたが、何が何でも結婚なんてしたくない、三次元はクソ、などと本気で言うほど若くありません。結婚して幸せな夫婦だって知ってるし、三次元だって言うほどクソじゃないってことも知ってます。大人だもの。だけど、何が何でも結婚したいかと言われりゃ決してそんなことはなくて。毎日ラジオを聞いて、猫と遊んで、ゲームして、本読んで、唐揚げ作って酒飲んで。たまに馴染みの店で馬鹿話や思い出話に花を咲かせて。今はこれで十分豊かで幸せな人生を送れている自覚が、強がりではなく本気であります。そりゃあね、好きな人とひとつ屋根の下で暮らす、家に帰ったら好きな人が待っているあるいは自分が好きな人を待つという幸せもあるだろうなとは思います。でもさ、その、それを自分の満たされてる、あるいは足りてすらいない時間にねじ込むのは、到底無理ってものです。こうなってくると、メリット・デメリットの話になってしまいます。利害関係のプロを自称している手前、双方に結婚のメリットが生まれて、それがデメリットを上回ったらその時が結婚のタイミングでしょう。
結局誰のことも、親兄弟ですらも信頼してないんですよ。好き嫌いではなく、信頼関係の話ですので、お間違えなく。