
個人的には物語の内容が掴める旧装丁版の方が表紙絵は好き
エスリナがほんといい子すぎて今読んでも泣ける
本シリーズ、早くも3巻です。それくらい一瞬で読めるんですよ。あとこれ悪口じゃなく、それくらい誰でもさらっと読めてすっと物語に入れる上にちゃんと面白いってことですからね。昨今の小難しいラノベに疲れているそこのあなた、今からでも遅くありません。えぇ、長編2シリーズで29冊と短編11冊と外伝8冊の合計たったの48冊でですから。
3巻はねぇ、序盤のエスリナ登場シーンが本当に、本当に前王時代のローランド腐りきってたなっていうのとエスリナがいい子だなっていうのが如実に現れてて。フィオルの意志を継いでシオンの下で働くことを決めた強さと才能と、それとは対象的に緊張の糸が切れた瞬間に見せた年相応の少女らしい弱さが、なんとも言えません。
あれだけ気丈に振る舞っていたのに、兄の、フィオルのことになった途端「兄」から「兄さん」に呼び方が変わっていたことに気付かないほどに、大きな喪失だったというのは痛いほどわかりますね。
ミルクがほんといい子すぎて今読んでもルークと同じ目線になる
キファが最初のヒロイン候補だとしたら、ミルクは原初のヒロイン候補だったんですよね。同じ孤児院と言う名の施設で育ち、プロポーズまでされた(とミルクは思ってる)相手を『忌破り』として追う。そんな任務だとしても、それ以上にミルクの周りにいる保護者――もとい、部下の面々が頼もしすぎて。
筆者が途中までではありますが堕ち伝や大伝を読んでいたからわかるんですが、ルークなんてほんっとに戦闘のプロすぎるくらい優秀な人材なんですよ。そんなルークが秒で心酔しちゃうのがミルクの才能だし、そんなミルクが「家族でおいしく食卓を囲む」っていう、多くの家族では当たり前の光景に涙してしまう境遇が、読者としてはしっかり読んでいるだけに、ミルクはなんとかして幸せになってほしいと、当時思ったのを今読んで思い出しました。色んな意味でこれから大きな時代の流れに巻き込まれるミルクですが、面白道中に関しては後にとり伝の方で楽しむとしましょう。
フロワードの道はある意味ずっと正解なんだ
反貴族派を焚き付けてエスタブールの残党を蜂起させ、残党ごと反貴族派をまとめて粛清する。フロワードの提案は、寸分の狂いもない正論でした。一番最短で、一番効率よく国をまとめるなら、反乱分子は一秒でも早く全員殺してしまえばいい。30超えたおじさんがこんなことを言うのも小っ恥ずかしい話ですが、筆者が軍の要職に就いていて(この時点でフロワードはまだ大佐ですが)反乱分子のせいで国がまとまらないなら筆者でもそうします。ただ、ここでフロワードすんげぇなってなるのが、シオンに反対されてもしれっと事を進めていたことなんですよね。これはLITさんでもできない。
結果としてはフロワードの描いたシナリオ通りにはなりませんでしたが、それでも初期のフロワードのこの、ある意味国を一番憂いてるであろう姿勢は毎回すごいものです。
フェリスはずっとライナのことを人間扱いしてるんだよな
スィ&クゥのガスターク出身兄妹の初登場は3巻でしたか。明らかに『勇者の遺物』に詳しい、それもライナ以上に精通している口ぶりで近付いてきた二人と、よもや戦闘になるとは。でもって、クゥの持ってるアイルクローノの鎌がこれまた氷の鎌だわ使用中は本人の感情や意識もほぼ消滅するわで明らかヤバそうな匂いがプンプンする遺物だっていうのが、これまた筆者の厨二病をいまでもメリメリと刺激してきます。
おまけに、スィが狙ってるのはライナの「複写眼」だって言うし、簡単に暴走させられちゃうしで、当時も今もこの展開はやっぱりアツい。でもってこのあたりからライナの瞳に宿してるのが「複写眼」じゃないなっていうのがちょっとずつ分かってくるんですよね。いやまぁ振り返ってみれば1の時点で空から声が降ってくるっていうのもありましたけども。そんなライナの暴走を、明らかに人間を逸脱しているそれを、冷静に見ていたのがフェリスなんですよね。
いいか? おまえは化け物じゃない。
おまえは、私の相方で、奴隷で、茶飲み友達だ。化物なんかじゃないんだ。聞こえるか? ライナ
このセリフがさぁ、ほんっっっっとにいいんですよ。いつもおちゃらけてちょっと何かあれば人を殴ったり軽く首を刎ねたりしようとするくせに、こういう時は本当にまっすぐで、真面目で、そんなフェリスの名台詞なんですよねぇ。
ネルファでミルク達とじゃれ合いながら歩を進めるライナ達。エスタブールの反乱分子を、ノアを取り込むことで黙らせるシナリオを完遂したシオン。裏で動き始めたガスタークの刺客(この時点でスィとクゥの正体は明かされてませんが、まぁ続きは読んでるので)。物語は、加速度的に動いていきます。次はいよいよ、◯学生のLITさんにぶっ刺さったあのエピソードが書かれます。