
このポップがあっという間に出来ていくのは、それはもう魔法みたいなものだよ
俺がスチームパンクと言えばこれはスチームパンクなんだよ
新年の祝いも一段落した、アキハバラ。駅舎から大通りに出ると、人種や種族の垣根を超えた賑わいが一気に押し寄せてくるのを肌で感じる。物売りの人間が遊技場で手に入れたのであろう
――300年前に、神と魔王による大きな戦争があったと伝承には残っている。100年にも及ぶ神と魔王の戦いの末、神は自らの分身を贄とし、ほんの僅かな力の差で魔王とその眷属を封ずることに成功した。神と共に魔王の軍勢に挑んだ勇者一行と、その末裔による太平の世が訪れたのだ。しかし、平和がいつまでも保たれることはなく。40年前のある日、北の大地の封印の綻びから突如として現れた魔王の眷属の群れは、一夜にして北の大地を呑み込んだ。しかし、世界に生きる種族とて決して弱き存在ではない。160年の時の流れは人に蒸気と魔導を授け、他の種族もまた独自の進化を辿っていたのだ。すぐさま世界各地で多種族から成る冒険者ギルドが結成された。魔王討伐へと向かう者達、城壁の外側で魔物を狩り街を守護する者達、世界の何処かにあると云われている伝説の武具を求め危険な魔族の領土を踏み抜く者達。世はまさに、冒険者ギルド全盛期を迎えていた。
人の流れを泳ぐようにかき分けながら、とある場所へと向かう。大通りから少しだけ奥に入った場所にある、7階建ての高層建築物。1階から7階まで、全てが冒険者ギルドの集会場兼酒場になっている。
300年前に神と共に魔王の軍勢に挑んだ勇者の1人、名は忘れられたが『時の勇者』と言う二つ名のみ伝わっている勇者の血を引く少女が居る。在籍して5年。濡羽色の長髪が特徴的な少女の名は、葉月。彼女の誕生祝の宴席で、ギルドはいつにない盛り上がりを見せていた。
毎年メシが美味いを言い続けてる気がする。もう麺屋出したほうがいい
他のギルドは知らないが、ここ【青卵亭】の酒場はとにかく食事と紅茶で評判だ。中でも葉月が気まぐれで焼き上げるパンは絶品との噂が飛び交い、遠くの街からも立ち寄る冒険者がいるほどと聞いている。
席について益体もない話に花を咲かせていると、主役の登場だ。
とびきり衣装がかわいいの、すき? pic.twitter.com/NjdJdiqaRW
— 葉月💥BLUE EGG (@hazuki_blueegg) 2024年12月13日
いつもの装いとは打って変わって、全体的に可愛らしい衣装で纏まっている。
ギルドへ辿り着く前、彼女は各地を旅しながら行く先々で魔族を狩りながら生活をしていたという。随所に革装飾をあしらった様相は一見すればその時の旅衣装と思われがちだが、ふんわり広がるスカートはどう考えても冒険には不向き。おそらくは当時の衣装を仕立て直したのだろう。よく似合っている。とても長剣を軽々と振り回し、1人で魔族の軍勢を討ち滅ぼした腕利きの剣士の姿とは思えない程に、あるいは年頃の少女のような姿に、思わず手が止まる。
祝いの言葉を述べているうちに、今日の酒宴の為に用意したという料理が運ばれてくる。油そばという大陸東側の伝統料理だ。
麺の上に薬味と炒めた挽肉が乗っていて、その上に半茹での鶏卵が乗る。胡麻油をベースにしたソースで絡めた仕立てとなっており、よく混ぜて食べるのが作法らしい。他の客に倣うように、一口。
美味い。これは美味い。そして辛い。
辛い物は平気だし、むしろ好きな方ではある。だが如何せん、発汗作用というものは人間止められるものではない。吹き出る汗を収めるべく、一旦外の風を浴びる。冬の風が身体にあたって心地良い。席へ戻ると、見知ったドワーフ族の少女が飲み物を運んでくれる。

・°☆.2025.01.25 ・°☆.
— りりす@BLUE EGG (@ririce_blueegg) 2025年1月26日
ご帰宅ありがとうございました!
葉月さんBDEV💙💥衣装もご飯も全部好でした!お早のみの参加でしたがたくさんポンのお裾分けいただき感謝です✨チェキやもろたもありがとうございました!葉月にゃんさんかわいかったです( ^・ω・^)
次は27日オープン(17時)います! pic.twitter.com/SdY3yRMSw1
ドワーフ族もまた、神々と共に世界を救った種族のひとつだ。その血を引く彼女等が地下遺跡から採掘してくる希少鉱石や賢者の石は、剣士や魔導士に欠かせない物となっている。
提供された飲み物は、特製のクランベリージュース。ベリーの成分と賢者の石に含まれる魔力を掛け合わせることで、鮮やかな色合いと戦場における耐魔力、耐熱、耐水などあらゆる祝福が付与される。爽やかな口当たりがなんとも嬉しい。油そばを完食するころには、時計の針がぐるりと一回りしていた。
結局いつもこうなる。こういうのでいいんだよ
あれからどれくらいの時間が経っただろうか。時計の針は更にひと回りか、あるいはふた回りか。西の空を飛ぶ
ギルド内はと言えば、一言で表すなら「混沌」という言葉が適切なほどに、混沌を極めていた。
まずもって、主役がいない。突如キッチン裏に消えたかと思ったら、そのまま戻って来る気配が無い。それもそのはず、最初こそ和やかな空気で幕を開けるかと思った酒宴は、しかし一本の瓶詰酒の栓が空いた時点でその歯車は完全に狂ったのだと、今振り返って思う。
開始から、わずか数秒の出来事だった。常連客の1人が
そんな様子を遠巻きに見つつ、

世の中にはベイクドチーズケーキ派とレアチーズケーキ派に大きく二分されるが、僕は断然ベイクド派だ。しっとりとして口当たりは滑らかで、それでいて甘すぎない。ちょうどよい塩梅の甘さのケーキと、ビスケット生地が口の中で非常に良いハーモーニーを奏でる。大変に美味しい。こんな美味しいチーズケーキが食べられるのは、アキハバラのギルド広しと言えどここ【青卵亭】だけなのではなかろうか。
「失礼しまーす。グラスご用意しますねー」
チーズケーキに感動していると、知らないうちに運ばれてくるグラスと、瓶詰酒。瓶に描かれている肖像画は、いつの間にか復活を遂げて目の前で顔を緩ませている本日の主役と瓜二つで。なんのことはない、僕もまた見本市に参加する側だったというだけのことだ。

独特の掛け声に続いて、ポンという小気味いい音と共にコルクが抜かれる。グラスに注がれる半透明の液体はほんのり発泡していて、グラスに映る自分の顔のなんともしまりのないことよ。冷静に見えて実のところ、だいぶかなり酔っている。酒宴が始まってからというもの、右からのお裾分け前からのお裾分けと、終始飲み続けていると言っても過言ではない状況なのだ。一度ギルドを出て戻ってきたとは言え、一度体内に侵入りこんだ酒の成分がそう簡単に消えることはない。だがこの酒に酔った感覚というのも、また気持ちがいいものだ。一歩城壁の外へ出れば常に死と隣り合わせの世界で生きる僕達冒険者にとって、気心知れた場所で気心知れた仲間と酒を酌み交わす時間は、何よりも大切なのだから。
結局その後も酒を飲み続け、終わってみればふらつく足取りで家路に就くのであった。長かったようで、あっという間な酒宴。素敵な催しを作り上げてくれた主役とその仲間、その場に集った関係者に感謝を述べつつ、このあたりで筆を置くことにする。願わくば、この平和な街で生誕を迎えた少女に幸多からんことを。
本日も有難う御座いました🦋🖤
— 葉月💥BLUE EGG (@hazuki_blueegg) 2025年1月25日
ほんとうに楽しかった、ありがとうございました、もうあの酔っ払いです ありがとうございます
これからもなかよくしてくたさい、ありがとう、もうあの、すみません ありがとうございます 次は29日 誕生日当日にいますすみませんよろしくお願いします pic.twitter.com/BfIQBTjsqP