ゆたんぽを抱いて寝る。

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猫のこと、本のこと、アニメのこと、野球のことetc...思いついたまま、気の向くままに。

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2022年5月14日槇原敬之コンサートツアー2022「宜候」感想レポ③

トートはいくつあってもいい

 

①②はコチラ

「悲しみは悲しみのままで」「Sakura Melody」「Counting Blessing」「LOVE LETTER」

「Hey...」や「赤いマフラー」もそうなんだけど、誰かの死をテーマにした曲を演奏する時、まっきーはCD以上のモノを会場に届けてくれる。「君が今どこに居て幸せにしているのか」噛みしめるように歌うまっきーは、大切な家族のことを思っているのだろうか。優しくて、少しだけ憂いを含んだ歌声が会場全体を包み込む、優しい時間が流れていく。この曲、まっきーが言っているように「悲しみは悲しみのままでいいんだよ」っていうのがサビに凝縮されているのがコンサートで聞くと改めてよく分かる。この曲はエレキギターとドラムが輝く構成になっているのだが、さすがは演奏力の化物集団まっきーバンド、まじでこの曲は――いや全部そうなんだけどコンサート用にアップグレードされていてヤバかった。一度この感動を会場で味わってほしい。

お次は――ま、まじか。「宜候」ツアーなのに「Bespoke」収録の楽曲もやってくれるっていうんですか!? サービス精神の塊じゃん……

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Youtubeのオススメになんとなく上がっていたMVを目にして「はて、色々あって非公開になってたMVがどうして今更?無断転載か?」とクリックして衝撃のあまり呼吸が止まりそうになったのが、今年はじめのこと。

あれから数ヶ月。同じことしか言わないbotみたいになってるけど、この曲もコンサートでまっきーバンドが演奏したら映えるに違いない曲だと思っていただけに、イントロが掛かった時点で開いた口が塞がらなくなるかと思った。演奏も、歌声も、会場の演出もまさに桜吹雪が舞い散る青空の下にいるような、そんな素敵な「Sakura Melody」だった。この曲のことがもっともっと好きになった。

次も新譜より「Counting Blessing」桜の時期から一気に季節は冬に移りゆく。イントロがもう一瞬で冬。パーカッションの名手、まっきーバンドの紅一点、大石真理恵さんの真骨頂みたいな曲だ。まっきーの歌声も、ここまで来るとどんどん本調子になってくるのか高音の伸びがとても心地良い。サビはずっと高い音が続くのに、自然と身体から声が出ているのがよくわかる。個人的にまっきーの音程で一番好きなのがサビの「無くしたもののかわりに」くらいのところなのだが、コンサートの音響で聞くとより一層エモさに包まれる気がする。帰ったら季節外れのツリーを出して奥さんと一緒に飾り付けをしたいとすら思えてくる。もちろん、そんな相手いないけれども。

演奏が終わり、一瞬の静寂。からの――

 

♬線路沿いのフェンスに

    夕焼けが止まってる♪

 

いやいやいやいや。待ってくれよ。いやこの曲はコンサートでも定番だし今回は代表的な曲を多く選んでくれてるから来るだろうなとは思ってたけど、いや待ってくれって。泣いちゃうから。しかも今回、ピアノが松本圭司さんなの!!いや、いつぶり!?松本さんのピアノと、まっきーの歌声だけが鳴り響く、立川ステージガーデン。こんなに豪華な空間が他にあるだろうか。今回、アルバムでアレンジを担当した曲があったご縁でもしかしたら……という気持ちはあったんだが、リハの写真を見て本当に嬉しくなった。そしてこの曲を選んでくれた。色褪せない名曲ってこの事を言うんだろうなぁ。

 

「わさび」「なんかおりますの」「HOME」

MCでは、再び新譜の話を語るまっきー。「初めて人に詩を書いてもらいました」と語るまっきーの表情は、遠目に見てもなんだか気恥ずかしそうで、それでいて誇らしげで。更に、今回ピアノで参加して頂いている松本圭司さんや今やまっきーのアルバム、そしてコンサートに欠かせない存在となっているTomi Yoさんがアレンジを手掛けた曲もあるという話もしてくれて。

次に演奏した「わさび」は、そんな思い入れのある一曲。それも、演奏はピアノオンリー。もちろん、松本さんのピアノだ。認知症の進んだばあちゃんと”俺”のやりとり。”俺”にとっては少し悲しい出来事なのかもしれないけれど、ばあちゃんにとっては確かに残る息子との大切な思い出。透き通った歌声と、ばあちゃんを見つめる”俺”の気持ちとか場面がスーッと頭の中に浮かんできて、とても優しい気持ちになった。かつて、「良い歌には良いメロディーがついてくる」と語ったまっきーだが、この曲はまさにそういう一曲だったのだろう。

お次は「なんかおりますの」松本さんのジャズアレンジが光る、アルバムの中でも異彩を放つ楽曲なのだが、もうこの曲を演奏する時の松本さんの楽しそうなことよ。まっきーもノリノリだし、バンドメンバーもみんな楽しそう。ある意味1番やりたい放題な時間はここなのかもしれない。歌詞がとってもキュートで素敵なのだ。ずっと犬の歌を書いてきたまっきーが、ここ最近は猫の歌を書くようになった。そういう進化も楽しめるし、猫目線で書かれた歌だからより一層面白おかしく聞こえるし、それを歌うまっきーはとっても楽しそうだし。こういう進化が2022年に見られるのは、本当に本当に最高過ぎた。

猫目線の楽曲の次は、猫と暮らすまっきーの歌。猫と暮らしていた筆者としては「HOME」はわかりみの塊すぎる曲なのだ。この曲順、本当に素敵だなと振り返って思う。猫ってほんとに自由で、気分屋で、だからこそ愛おしくて。活動休止中にまっきーが気がついたのは、そういう猫のきままな部分だったのかもしれない。ド派手な曲じゃないけど、だからこそ肩の力を抜いてリラックスして歌う、そんなまっきーの姿が印象的だった。どらみちゃんとの生活を、まっきーにはこれからも目一杯楽しんでほしい。猫はいいぞ。

 

MC

歌の履歴書で読んで知っていたのだが、まっきーが実は引越をしていた。30年住んだ東京を離れ、違うところから今は収録や仕事の為に東京まで通っているのだという。理由については歌の履歴書を読んでもらうとして、新天地では思った以上に楽しく暮らしてるという話を聞いて一安心。

あ、ここ恒例のトイレタイムです。

 

さぁコンサートもいよいよ終盤。その④に続きます。

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