今回も楽しかったです
早いもので、もう9回目です
暑かった夏が終わり、あっと言う間に過ぎ去ろうとしている秋を感じながら、筆者は二ヶ月ぶりに祖師ヶ谷大蔵駅に降り立っていました。そら豆のためにしか降りない駅でお馴染み祖師ヶ谷大蔵駅ですが、今回も例に漏れずそら豆さんの落語会です。
なんだかんだ雛菊独演会も9回目。1、2回逃してる気がしないでもないですが、たぶんおそらくほぼ皆勤賞です。終演前後のわちゃわちゃ感も含めて楽しんでます。お客でありながら会場設営と会場のバラシが体験できる落語会は、おそらくそら豆だけです。あれです、コミケだって有志のスタッフが設営やるんだからそれと一緒です。実質同人落語会みたいなもの――いやそれは失礼。ちゃんとプロ呼んでやってるんだかられっきとした落語会です。ちゃんと毎回3~4席やってます。
今回は前の用事があったので時間ギリギリの到着でしたが、無事時間通り到着です。
眼鏡美少女RTAから落語会にシフトしてる走者はたぶんLITさんだけです。
前座噺というのが一番難しいのだよなぁ
そんなこんなで始まりました雛菊独演会。
今回もお馴染み(?)先代古今亭圓菊師匠の着物で高座に上がった雛菊さん。マクラでも話していましたが、本当に着物の衣替えに合わない日本になってしまいました。ちなみに10月ですが筆者も絶賛単の着物で生きてます。汗かいたら洗える木綿の着物が一番ラク。
たらちね 雛菊
長い名前の噺というと、寿限無かたらちねのどちらかが定番です。でも個人的にはたらちねの方が難しいんだろうなと思ってみたり。寿限無は本当に長い名前なのでそれだけで笑えてきますが、たらちねは八五郎の反応込みで演らなきゃいけない。今回は前半のみでしたが、やっぱり二ツ目ともなると見ていてしっかり笑えるしちゃんと上手いというのがよくわかります。ちなみに寿限無は覚えましたがたらちねの長い名前はこの年になるともう覚えられませんね。自らことの姓名は、父は元京の産にして、性は安藤名は慶三以下省略。
手水廻し 雛菊
上方訛り(関西弁)というのは、これまた一朝一夕で身につくものじゃありません。江戸落語であっても、手水廻しのように関西弁が入ってくる噺は多くあります。筆者も関西弁には明るくないのでわかりませんが、少なくとも聞いていて違和感のある関西弁じゃないって時点でやっぱりすげぇわけです。あと手水廻しはシンプルながらも笑いどころが多くて、隣の住職の知ったかぶりから始まってお客さんを怒らせちゃう下りは本当に見ていて笑えてきます。なんだ長い頭で長頭(ちょうず)って。
仕草や上下が安定しているのもあって、テンポは早いんですがしっかり聞けるのが雛菊さんのというか古今亭のというか菊之丞門下のすごいところですよね。
道灌 雛菊
仲入りを挟んであと2席。筆者は前にもそら豆だったか寄席だったかで聞いた道灌というネタ。これもたらちね同様前座噺ではあるんですが、より小刻みに笑いが組み込まれてるのとより情景描写がしっかりしていないと想像が難しい噺になってることで、個人的にはたらちねよりも難しいんじゃないかなと思ってる噺です。
ただねぇ、雛菊さんの道灌面白いのよ。前半は八っつぁんのなんとも言えない馬鹿っぷりとご隠居さん(タワマン住みではない)の掛け合いがずっとすれ違っていてその様子が面白おかしいし、後半もずっと提灯貸してほしい男とのやりとりがテンポよく展開されていて面白い。やっぱりね、滑稽噺ってのはこういうのがいいんだよなと思わせてくれるいい道灌でした。
死神 雛菊
そういえばこの間おろしたという死神。
いやぁーーー、新しいタイプの死神来ましたね。こんなポップで軽い死神もアリだなと思わせてくれます。確かにね、死神と聞いてヨボヨボで痩せこけててボロを着た老人を思い浮かべるのは古典落語の聞きすぎってのそれはそう。手を叩いて笑ってしまいました。いやだってあなたのお師匠さんもそうでしょうが。筋は一緒なんですが、とにかく軽快で楽しい。多かれ少なかれ重くなる死神という噺ですが、サゲまでずっと楽しい雰囲気のまま進行していく。こういう死神もいいもんだなと、そう思わせてくれる面白い死神でした。
今年初めての栗ご飯でした
終わってからは恒例のお弁当をつつきながらの打ち上げ。
いつもはお子様ランチ風のお弁当が、今回はなんと豪華な山梨尽くし。
秋らしい栗ご飯に、豪華なおかず達。デザートのシャインマスカットまでどれも美味しいお弁当を食べつつ、ビールを飲む。落語見て笑って酒のんでメシ食って。毎回本当に楽しい時間になってます。いやぁ満足満足。次は12月22日で決定してるとかなんとか。
その日はなんとか空けます。おそらく今年最後のそら豆です。