楽しい落語会でした
最早お母さんに会いに行ってるまである
前回そら豆主催の落語会に行ったのは、いつだったでしょうか。確か8月も終わり頃、小燕枝師匠との二人会をやった時以来ですかね。
まさかあの数日後に例の病魔でぶっ倒れるとは思わなかったわけですが、何はともあれそれ以来の祖師ヶ谷大蔵。相変わらずそら豆の落語会に行く以外に降り立たない駅ですが、この日もウルトラマンを見ながら会場に向かいます。
それにしても、すっかり単が袷ものに変わるくらいに時間が経ったものですなぁ。
そして、開場が17時と聞いていたので17時に合わせて行ったらお客が9割入ってるっていう状況はもう突っ込むことすらしない筆者なのでした。まぁ、そら豆のお母さんなので。木戸銭とお弁当代を払って待機です。
どんどん大ネタが増えていく。二ツ目としての成長よなぁ
開場時間のガバっぷりとは裏腹に、時間ぴったりに始まった今回の雛菊落語会。もう4回目になるんですね。いやはや、早いものです。今回はチラシが前に並んでることもないし、ちゃんと高座に座布団も置いてあるし、ホントスムーズに始まりました。いや、それが普通なんですが。
金明竹 雛菊
ここのところは寄席に多く入っていることもあり、自分の会で好き勝手おしゃべり出来る機会が少なくなっていたという雛菊さん。楽しそうにマクラで話す様子が見ているこちらにも伝わってきて、ゲラゲラと笑いながら聞いてました。なんやかんやマクラだけで30分近く演ってたんじゃないでしょうか。
話の方はというと金明竹。与太郎の与太郎っぷりがまじで面白すぎる。ホントに間抜けなんですが、それでいて憎めないっていうあの与太郎のキャラがいいんですよね。実に合ってる。後半、上方訛りの使いがどんどんキレ散らかしていってる様子が面白すぎました。いやまぁあんな長い言い立て4回もやらされたら使いだって怒るでしょうけども。当たり前っちゃ当たり前なんですが、あれを噛まずに言い切れるっていうのは凄いもんだなぁと思いながら聞いてました。
芝浜 雛菊
一年が四季から二季になったんじゃないかってくらいにおかしな季節になっていっても、季節のネタというのを聞くとその時々の季節を感じるような気がします。長屋の花見がかかればそろそろ春だなと感じるし、怪談がかかるようになったらそろそろ夏も本番、千両みかんなんかも今年みたいな暑い夏にはピッタリでしたね。冬といえば文七元結や二番煎じなんかが定番でしょうか。もちろん、芝浜も。
雛菊さんの芝浜は、これが初聞き。下ろしたのは知ってましたが、そら豆で演ってくれるのは嬉しかったですね。子は鎹もそうでしたが、酒クズ亭主が改心する噺がバチクソに上手い。芝浜はそれに加えて、おかみさんの演技がまた良かった。亭主に嘘を吐いて仕事に送り出すおかみさんの気持ちがねぇ、ほんと良かった。勝五郎の仕事熱心でお得意さんにも好かれてる人柄もよく出てましたね。菊之丞師匠の(というか雲様の)芝浜がああいう構成なので特に噺に立体感が出てるからなんですが、だからこそ大晦日の場面は綺麗になった部屋で燃える火鉢の音や、笹竹のこすれる葉音、しんしんと降る雪が見えるようでした。走り出した雛菊さんの芝浜がこれからどう成長していくのか、ますます楽しみです。
次回は1月20日(予定)です
噺家の仕事は簡単に口約束で決まっていくなんて話をよくマクラでする噺家さんがいますが、本当にあっさりと決まっていくもんだなというのを目にしました。次回は1月20日だそうです。17:30開演だと例の学校的なサムシングがギリギリになってしまうので個人的には18:00開演だと嬉しいなと漏らしたら、ほんとにその通りになりそう。そんなアットホームで和気あいあいなそら豆落語会、次回も楽しみです。
安心安定の雛菊弁当、パスタの追加もあって豪華なお弁当になりました。ごちそうさまでした。