ゆたんぽを抱いて寝る。

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三平師匠の笑点降板演出が最高に芸人殺しで最高に胸糞だった

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おつかれさまでした

 

若手を入れるという目的は間違ってなかった

昨日はオチに使った林家三平師匠の笑点降板。

l-i-t.hatenablog.jp

 

一日経って、時差的にネットニュースを中心に盛り上がりを見せてきたなという印象です。

news.yahoo.co.jp

面白い面白くないはさておき、若手を入れるという5年前の試みについては非常に評価しています。なにしろ、メンバーの高齢化が深刻。83歳で最高齢の木久扇師匠を筆頭に、こん平師匠の代打で出演してた時は若手と言われたたい平師匠ですら57歳。三平師匠と座布団運びの山田隆夫を含めたメンバーの平均年齢が65歳という、超高齢化が進んだ番組それが笑点の現実です。

そういう背景を鑑みるに、若手をメンバーに加えるという5年前の試みはすごく良かったんだと思います。長く司会を固定するため、比較的若い昇太師匠を司会に据えたのもこのためでしょう。じゃあ、追加メンバーが三平師匠で良かったのかと言われれば、当時から一貫して筆者は疑問が残り続けてます。それについては後々筆者の意見を述べるとして、メンバーの交代について次項で少し補足していきます。

 

先代円楽師匠の時代が安定しすぎてみんな感覚バグってるんだと思う、筆者も含め

そもそもこの笑点という番組、出演者が言ってしまってるので仕方ないんですが「誰か倒れるか死ぬかしないとメンバーの入れ替えがない」という状態が非常に長く続いています。調べてみたところ、病気や体調以外の理由でメンバーの入れ替えがあったのは1988年、桂才賀師匠が降板して円楽一門となっていた三遊亭好楽師匠が復帰したのが最後。もう30年以上前の話なんですね。

それ以前は、病気以外での入れ替えは割とあったんです。

九蔵時代の好楽師匠は一度クビになってますし、先代の円楽師匠も一度回答者から離れて落語に打ち込んだ時期がありました。なので、「誰か倒れるか死ぬかしないと入れ替えがない」というのは全くのガセというのがわかります。

 

とはいえ、実際にメンバーがほぼ変わってないのが好楽師匠復帰からの笑点の形。

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この画像は好楽師匠と小遊三師匠の座り順が逆なのでおそらく復帰直後でしょうが、メンバーはこの6人+司会の先代円楽師匠というのが非常に長かった。こん平師匠が病気で降板(実際は休演扱いが長かったですが、わかりやすく降板とします)するまで約20年。

20年と言えば、生まれたばかりの子どもが成人になるくらい。そりゃあこれだけ長く同じメンバーが続いていれば、見る側もこれで慣れてしまうと言うもの。実際このメンバーでかなり成熟した感はあります。そういう感覚だったものだから、笑点メンバーはよほどのことが無い限り変わらないんだろうな、という認識が広がっていったのも頷けるわけですね。

 

なんのために師弟大喜利とか若手大喜利やってるのか

それじゃあ、実際にメンバー交代があった時にどうやって新しいメンバーが選ばれてきたのか。特に長かった圓楽政権以降に目を向けていくことにします。

 

1.林家こん平林家たい平(敬称略)

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前述の通り、こん平師匠が病気で休まれ、代わりに弟子のたい平師匠が出演を始めたのが2005年。この時は本当に代演という認識だったし、誰もがいずれ戻ってくるものだと思ってました。でも、実際は完治が難しい難病だということが発表になり、正式にたい平師匠がメンバー入りすることになり。

では、これがただの利権とか実質的な禅譲とかそういうものだったかと言われると決してそんなことはなく。たい平師匠はメンバー入り以前から若手大喜利や師弟大喜利で爪痕を残していましたし、実際に若手大喜利でMVP取って笑点に座布団運びとして出演したこともあるなど、非常に実力派でした。そういう背景もあってか、メンバーとして溶け込むのも早かったと筆者は認識しています。

 

2.桂歌丸春風亭昇太(敬称略)

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5代目円楽師匠が笑点勇退され、次の司会には歌丸師匠が就任しました。そして、空いた4席目に入ってきたのが春風亭昇太師匠。当時47歳という非常に若い年齢でのメンバー入りでした。しかしながら昇太師匠もまた、たい平師匠と同じく若手大喜利で頭角を現していた実力派。当時から既に若手大喜利の司会をこなすなど、今思えば将来的には司会者として後釜に据えることも見据えた歌丸師匠の、あるいは日テレの人事だったのかなと振り返って思います(芸協の回答者枠がひとつ空いたところに同じ芸協の噺家を持ってきて後に会長にまでしたのは流石に色々大人の事情があるんじゃないかというツッコミは、また別の話なのでさておき)。

昇太師匠も回答者として溶け込むの早かったなぁと思います。城好きや独身ネタ、カミカミなところ、わかりやすく視聴者にウケるキャラ付けが出来るのが早かったんですよね。それはもちろん本人の実力もあったし、大喜利のプロであるところの歌丸師匠の力も大きかったことでしょう。

 

では、改めて振り返って直近の春風亭昇太林家三平というラインがどうだったのか。

まず、笑点との関わりについて。

ざっと調べてみたんですが、若手大喜利にも師弟大喜利にも(師弟大喜利は師匠が出てないので当然ですが)出てないんですよね。突然の抜擢ということで当時から賛否両論色々出てたこの人事ですが、個人的にはやっぱり疑問が残るところです。決まりというわけではないにせよ、たい平師匠然り昇太師匠然り、若手大喜利出身者から次のメンバーが選ばれてきましたから。

もちろんそんなことはないにせよ、どうしても根岸の方のおかみさんがチラつくのは致し方無い事だったんじゃないかなと振り返って思うわけです。

 

大喜利メンバーとして

あとは、本人の実力というかキャラ付けというか大喜利メンバーとしての染まり方の問題。ニュースのコメントなんかを見てると噺家としての実力不足とかそういうところにまで言及する人がいますが、それは違うかなと。噺家の実力はあくまで落語そのものの実力であって、大喜利の腕はまた別です。筆者の知ってる師匠でも、落語の腕は相当だけど大喜利は苦手だからやりたくないと言ってる人もいるくらい。それじゃあ三平師匠が今の大喜利に、笑点にハマってたかと言われるとなかなかうまく行ってなかったかなぁというのが筆者の見方です。

全部見てるわけじゃないですがそれなりに好きで見てる人間として言えば、やっぱりハマってなかったかなと思います。キャラ付けで模索してた部分とか立ち位置で悩んでた部分は色々あったと思うんですが、もう一歩吹っ切れる何かがあればまた違ったのかもしれません。毒を持てとか先輩にかみつけとかそういうことじゃなく、「この人がこれを言ったら面白い」というものがひとつでもあれば違ったんじゃないかなと。円楽師匠は楽太郎時代からインテリとか腹黒とか言われてそれをネタに出来たし、木久扇師匠も歌とか宇宙人とか(大喜利としてどうなんだという意見はありますが)確固たるネタがあります。せっかくのお坊ちゃん育ちなんだから、成金じゃないガチで鼻につく金持ちキャラで売るとか、あるいはもっとドギツイ三平師匠しか言えないような根岸の深いネタで突っ込んでいくとか、そういうのがあればよかったのかなと素人ながらに思います。

とはいえ、本人の真面目な性格がそういうキャラになりきれなかった部分もあったのかもしれません。落語の方では国策落語を復活させたり海外で英語落語やったりと面白い試みをたくさんやってる三平師匠。じゃあ真面目キャラで……というのはちょっとパンチが弱いし、馬鹿なこと言って笑ってナンボの笑点(と言うと語弊がありますがまぁ多くはそういうものですし)で真面目に頑張る! みたいなのはちょっと視聴者が望んでたのとは違うかなと。

そういうあれこれは本人が1番よくわかってたんでしょう。考えた上での降板だったんでしょうし、あるいは番組側からクビを言い渡されたのか、それはわかりません。ただやっぱり、視聴者が求めてる大喜利笑点像というものに上手くハマれなかったのが1番の要因だったんだと思います。

 

それはそれとして、やる必要あった?

と、ここまでは三平師匠について色々と番組の歴史も振り返りながら書いてきましたが、最後に日テレに文句を言いたい。

 

今回の演出、本人の希望なのか番組側が考えたものなのかわかりませんが果たしてやる必要があったんでしょうか。いや、絶対なかったでしょう。

日曜の夕方の楽しい時間、何が悲しゅうてメンバーが「実力不足なので辞めます」という寂しい発表を見なきゃいけないのか。「5年間、一度も座布団10枚取れなかった。それが心残りです」ってちょっとギャグで言ったつもりなんでしょうけど、もういたたまれなくてだめでした。舞台の上で芸人が一切笑い無しで真面目に進退を語る、それを30分という短い番組の貴重な時間を削ってまで放送する。ここに一体何の意味があって、それを見させられた視聴者はどうすればいいのか。

それだけじゃないんです。ネットニュース用にわざわざインタビュー動画まで撮ってるんだから、ほんとタチが悪い。それも、わざわざ別撮りで三平師匠1人をすっぱ抜いた形で。これね、どういう意図があってやったのかわからないんですが、これをヨシとした日テレには本当にLITさん怒り心頭です。

筆者は、これ日テレが全部責任を主演者にぶん投げて逃げたと思ってます。どういう経緯があったにせよ(たとえそれが根岸の口添えだったとしても)メンバーに選んでおきながら、それを上手く活かすことが出来なかったのは本人もそうだけど日テレの責任。それならそれで、番組として「三平師匠は年内を以て番組を降板します」という発表をしなきゃいけなかったし、番組としてあるいは局として前に立って視聴者に説明をしなきゃいけなかった。あるいは、一切説明をしないという選択もできた。テレビ番組なんだからいろんな事情があって然るべきだし、いちいち視聴者に全部説明しなきゃいけないなんてことはないと筆者は思ってます。どんな番組だって局やスポンサーの都合でメンバー入れ替えがあって当然だし、それを視聴者にお伺い立てる必要なんてありません。

なのに、よりによってそれを番組の時間を割いて、わざわざ降板する出演者本人に語らせる。なぜそんなことが出来るのか。本人の希望だとしたらそれは本人にとっても番組にとってもマイナスにしかならないことなんだから止めなきゃいけないし、番組側がそうしろと言ったのなら、悪いけど番組終わらせた方が良い。それくらいひどい仕打ちだと筆者は怒りに震えながら見てました。

だって、芸人なんですよ?

舞台の上では、笑わせてナンボじゃないですか。

たくさん笑わせて、時にはスッと溜飲が下がるような風刺を言って、それが芸人であり大喜利であり視聴者が笑点に求めるものだと思うんです。そんな芸人の本質を全部ぶっ潰してああいう演出をした日テレの真意はわかりませんが、SMAPの謝罪会見並に「一体俺は何を見せられてるんだ」感が拭えませんでした。

あれを見せられて「頑張ってたのに残念です」みたいなコメントが結構見られましたが、それこそ後の祭りじゃないですか。アーティストに「ライブ行けないけど応援してます」ってクソリプ送ってる輩と一緒でしょこんなの。降板となれば多かれ少なかれそういう意見は出ます。でも、やり方ってものがあったでしょうと言いたいんです。嘘でも良いから先代円楽師匠の時みたいに「落語に専念するため」とかカッコいい理由を付けて盛大に送り出してあげることも出来た。なのに、なぜわざわざ本人を引っ張り出して「実力不足でしたすいません」なんて言わせるのかと。

ほんとね……だめ。日テレ、そういうところほんとにだめでホントにズルい。個人的に三平師匠が笑点にハマってなかったなという意見は変えませんが、それでも最後の最後に切って捨てた日テレを筆者はちょっと許せないですね、ハイ。

 

 

 

いやはや、いつになくクソ真面目な記事になってしまいましたが、たまにはこういうのもヨシということにしておいてください。えっ、だめ?

 

 

いやぁ、どうもすいません。

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いや、それは先代のギャグだから。

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