ゆたんぽを抱いて寝る。

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【読書記】ウィザーズ・ブレイン完結目指して読み直しⅡ

良かったです

 

覚えてたのは指パッチンだけでした

Ⅰに引続き、Ⅱに突入したウィザーズ・ブレイン。Ⅰのときにも思ったのですが、思った以上に「読めている」自分がいることにまずは驚き。20年前のクソガキ時分には、読んでいた他の作品と比較しても設定面やシステム面(主にIブレイン周り)が非常に複雑な印象を受けたものですが、20年の月日というのは筆者の読解力を向上させるにはちょうどよい期間だったのかも知れません。

はてさて、そんなこんなで2巻。ヘイズの印象だけがバチボコに強く、指パッチンで対象の空間を一瞬にして情報解体するという特性が最高に好きでした。だから20年経ってもずっと覚えていたのはヘイズとヘイズのIブレインだけだったわけですが、それでも生い立ちや細かいところはすっかり抜け落ちてしまっていましたね。だからこそ、1巻に続いて今作も非常に楽しく、ほぼ初見のような気持ちで読めたわけですが。これが非常に良いというかなんというか、Iブレインや魔法士、龍使いと言った知識だけがある記憶の根底に長期記憶のように刻みつけられているおかげで、既存の知識として定着した状態で読める。フィクションの知識なのに、まるで実際にあるかのように脳内処理をして読み進められるという、この状態で再びウィザーズ・ブレインに相対したのはよかったですね、ハイ。

 

大人になってから読み直すと、改めてシティ・北京やべぇなって思う

1巻のときにも思ったし、この当時の電撃やスニーカーになんとなく漂っていた「大人の理不尽に巻き込まれてそれでも必死に抗う子どもたち」という構図。ウィザーズ・ブレインはまさにこれだよなと当時は思っていたわけですが、20年経って改めて読み直すと本当にシティ・北京ってやつはやべぇなと思うわけでした。

魔法士をイチから作るという発想はまだわかるんですが、黒の水で身体構造そのものを変化させたり腕を武器に変質させてみたり自力で飛べない人間を飛ばせてみたりすれば、そりゃあバグって暴走もするってものです。たぶん人間の脳は空を飛ぶように出来ていないハズなので、そんな状態で飛行を制御しようと思ったらIブレインだけでどうにかなる問題じゃあないでしょと。まぁそれほどまでに大戦が激化した証拠だったんだろうなとか、それでも結局シティ・北京はあっけなく消滅してしまったんだなとか思うと、諸行無常という言葉がよく似合うわけで。

 

「生きる」ということに対して誰かがちゃんと前向きなのがいいよね

1巻における天樹錬もそうだし(黒沢祐一しかり)、2巻におけるヘイズもそうなんですが、作中で必ず誰かがちゃんと「生きる」ということに対して正論を貫いてくれているのが非常に良いなと思いました。まぁそれは裏を返せば生きるということに対して後ろ向きな誰かがいるということにもなるわけですが。2巻で言えば終盤、島を脱出する際にメイを後押ししたのはヘイズであり、ヘイズもまた幼い頃に大人に「生きる」ことを後押しされた経験があったわけです。設定が小難しい(と言うと文句っぽく聞こえますが前述の通り思った以上に理解は早いです)作品ですが、このあたりはちゃんと少年少女に向けたラノベしてるよなぁ……というのが筆者の感想になります。虚無の領域のクソデカペナルティも好きです。ああいう一発限りの切り札みたいなのがあるから物語はたまらなく面白くなる。3巻も早く読もう。

 

 

脳内CVメモ(正式名称・敬称略)

ヘイズ 三木眞一郎

メイ 和氣あず未

シャオ 梶原岳人

ルーティ 未定(暫定 松来未祐

カイ 未定(暫定 斎賀みつき

ハリー 未定

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