記念に撮ってもらいました、イエイ
正直死ぬ程暑かった
昨日の記事でも書いたように、新宿は末廣亭に行ってきました。
当日は27℃と9月下旬とは思えないほどの暑く、袷の着物だと黙ってても汗をかくような、そんなお天気様。
暑くて喫茶店に逃げる筆者の図
筆者が10時過ぎに並び始めたときには、既に前に10人ほど並んでおり。帰省ついでに寄席を見に来たという方と話をしながら待つこと1時間半。予定より10分ほど早く入場することが出来ました。中は思ったより冷房が弱く、座っているだけでも結構暑かったです。場所によってはガンガン冷房が効いて寒いなんてところもあったらしいですが、正直そっちに座りたかったなぁと思ってみたり。
そんなこんなで昼の部開始。昼夜入れ替えなしなので、こっから夜まで休憩を挟みつつ9時間たっぷり楽しみます。(昼の部の感想は筆者の気力の都合上カット)
代演で昇太師匠の落語が見れたのは死ぬほどラッキーだった
9月28日の代演情報です。 pic.twitter.com/QeRrIQNJgl
— 末広亭 (@suehirotei) 2019年9月27日
28日のプログラムはこんな感じ
代演情報を見て飛び上がっちゃいました。
まさかの昇太師匠ですよ昇太師匠!!
高座に上がるやいなや、会場から飛び交う「おめでとう!」の声。
ご本人も仰ってましたが、今、日本で一日にこれだけおめでとうを言われてるのは春風亭昇太と小泉進次郎くらいのものでしょうね。マクラはそんな結婚話について。笑点のお師匠方が含むように「おめでとう(ニヤリ)」と言ってくる中、円楽師匠だけは真剣にアドバイスをくれたようです。まぁ、腹黒い内容でしたが(笑)。
今は家の中で一番えらいのは奥さんだねっていう流れから、演目はリストラの宴。ご結婚されてからリアルさが増したのかな? なんて思ってみたり。
初めて昇太師匠の高座を見た感想ですが、とても軽快で終始笑いが絶えない高座でした。新作ということもあって舞台は現代だし社会人として色々刺さる部分があったりして、すんなり場面に入り込めるんですよね。テンポはいいしサゲは効いてるし、古典もいいけど新作もいいなぁと思わせる、そんな昇太師匠の高座でした。
中入り前最後を飾るのは小遊三師匠。
こちらも昇太師匠と同じく笑点メンバーでありながら高座を見るのは初めて。
この後の披露口上があるからでしょう、黒紋付という一風変わった出で立ちの小遊三師匠を見られたのはちょっとラッキーかなと思います。口上でもそうだったんですが、ホントに此度の真打昇進が嬉しいみたいです。お恥ずかしながら小痴楽師匠について無勉強だったので調べさせてもらったところ、亡くなった小痴楽師匠のお父様――柳亭痴楽師匠とずっとご一緒だったそうで。甥っ子みたいな小痴楽師匠の昇進を自分の弟子のことのように喜んでいたそうです。
この日の演目は、古典落語「ん廻し」。さすが古典落語の笑い話が得意だけあって、終始笑ってました。途中で長いセリフを喋る場面があるんですけど、全く淀みなくスラスラスラーっと言えちゃうんですよね。筆者は何回聞いても覚えられません(笑)
個人的にすごいなぁ名人だなぁって思ったのは、高座に上がって話始めるまでの間の取り方。拍手が鳴り止んで、一度小屋全体がシン……と静まり返って、さらに一拍置いてから話始めるんですよね。だから、ぐっと引き込まれる。すごいなぁ、名人の芸って。
大喜利大会みたいな笑いの絶えない披露口上、そして熱演
この日の真打披露口上は芸協から米助、小遊三の両参時が上がられました。お二人が口上の段階からガンガン笑いを取ってくるわ小痴楽師匠をイジるわで、新真打もたまらず顔を上げるというぶっ飛んだ展開に。「参時が2人で6時ですね」なんて小遊三師匠が言い出せば隣で米助師匠が「まーた下らねぇこと言って」みたいな顔してるし、客席から「大惨事!」って言葉が飛んでくればすかさず小遊三師匠が「それ今言おうとしてた」とか言っちゃってもう披露口上なんだか大喜利大会なんだかって感じで会場は大爆笑。
終いには手締めを小遊三師匠がやるのか米助師匠がやるのかで押し付け合いが始まるってんですから、ほんっといい大人達が何やってんだかって感じでお腹が痛くなるくらい笑った披露口上でした。
小痴楽師匠の披露目。今日も超満員のお客様。師匠方の口上。茶化しながらも兄さんへの愛が感じられる。こんなにハートフルな口上はなかなかない。我が子を見るような眼差しで新真打をトリの舞台に送り出す師匠たち。この幸せを体感してください。末廣亭は30日まで。次は浅草!ハッピーはまだまだ続く! pic.twitter.com/aAc7w0JPrf
— 桂竹千代 (@katuratakechiyo) 2019年9月28日
ちなみに筆者の後ろ頭だけ写ってます(余談)
口上のあと鯉八師匠が演じたのは新作落語「にきび」。おめでたい席で尚もにきびで勝負する辺り、この後輩流石だなぁと思うばかりでした。にきびを潰す快感を筆者はまだ知らない。
そして遊雀、米助の両師匠マクラでササッと高座を降り、ボンボンブラザーズを終えて時計を見れば8:15。新真打に対する愛情ですよね。主役に目一杯時間を残すという師匠たちの愛を感じました。
そして満を持して高座に上がった柳亭小痴楽師匠。
演目は、残り時間をめいっぱい使った古典落語「宿屋の仇討」
いやぁーーー、笑った笑った。
万事世話九郎と伊八のやり取りが回を増すごとにドンドンエスカレートしていって面白かったし、江戸っ子三人衆のぶっ飛んだバカっぷりは声出して笑いながら見てました。ゲーンちゃんは色事師! 色事師はゲーンちゃん!」からの「伊八! いはーーーーーーーち!!」の流れとかね、こう言っちゃ失礼かもしれないけど小痴楽師匠の源兵衛がホントにハマってて、そのせいか万事世話九郎が青筋立ててキレてるのが可笑しくて可笑しくて。
昔の色恋話を源兵衛が語る場面、「大事なのはココじゃねぇ」って自分の胸を指してしまって「あっ、やっちまった」みたいなミスはあれど、結果的にお調子者の源兵衛がテンション上がって言葉間違ったみたいな感じになってたからアレはアレで良かったかも。
この噺っていかに万事世話九郎のブチギレ具合を出すかと、そのせいでぐったり来てる伊八の様子を出すかがミソだと思うんですが、ほんっとに良かったです。
恥ずかしながら初めて見させて頂く小痴楽師匠の高座だったんですが、ホントに楽しくて別の演目も見たいなって思いました。満員御礼の末廣亭。幕が下りるまでずーっと鳴り止まない拍手が、新真打の門出を祝っているのがよく分かりましたね。
たくさんの出待ちにも対応してくれた小痴楽師匠、本当にお疲れさまでした。酒と煙草が大好きで随分と偏食家ということですが、ホントお身体を労ってこれからの落語界を引っ張っていってほしいですね。