ゆたんぽを抱いて寝る。

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LITさんと舐め腐った転活の話②98%嘘でも2%ホントならそれは嘘じゃない

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実写化なんてしらない

 

転(勤)活(動)はじめました

一応、ウチの職場は首都圏にも支店を持ってます。というか本社は東京なんですけどね。だから、理論上は「来月から東京に転勤です」なーんてこともないわけじゃない。ただ、職場の人達を見てると実際問題そういう人事が出た人ってあんまり見たことがないのもまた事実。

 

それもそのハズ。

筆者がお勤めの会社、基本的に社員の希望人事が叶うことはほぼない、みたいな歴史をずっと辿ってきたわけです。というか、あんまり希望出す人も居なかったという話もあったりなかったり。

でも、言わないよりは言ったほうがずっといいに決まってます。ダメでもともと、言うだけならタダですから。

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朝倉涼子もそんなことを言ってました。

 

さて、そうなったら相談すべきは誰か。クソ社畜人生で今まで一度として転勤の相談なんぞしたことがなかったので正解はわかりませんでしたが、とりあえず直属の上司に相談することにします。

理由は色々あるんですが、ふと前に上司がボヤいてたことを思い出しまして。

酒の席で酔っ払った上司がこんなことを言ってたんです。

 

「転勤していったやつも辞めていったやつも、誰一人俺のところに相談もせず人事に掛け合いやがって」と。

 

ふむ……

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これは「俺のところに相談に来い!」というオッサン特有のツンデレ的なアレだなと。

そうと分かれば上司のもとにスタコラサッサ。

 

LIT「あの、ちょっとお話が」

上司「なんだ、辞めんのか」

LIT「いやそうじゃなくて」

上司「金なら係長に借りてくれな」

LIT「いい加減JRAに寄付するのやめましょうよ」

上司「バカ野郎この間は勝ったんだよ。単勝だったけど」

職場ガチャはともかく上司ガチャは比較的いいほうだと思ってるLITさん。当時の上司とはこのくらいフランクな間柄でした。相談しやすかったのはそういうのもあってなんですけどね。

 

LIT「転勤の相談って課長にすればいいんスか?」

上司「ん、まぁそうだな。なに、転勤したいの?」

LIT「えぇ、まぁ。出来れば首都圏……それが無理ならせめて神奈川、千葉、埼玉あたりでも……」

上司「ふーん。なんでまたいきなり?」

LIT「えっ、なんで? ってどういうことです?」

上司「いや、転勤したいなら理由くらいあるだろ普通」

 

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あー、理由ね。うん、理由……ね。

そう言えば遠い昔に面接でも志望動機とか聞かれましたっけね、ワタクシ。

 

今回に関して言えば、理由なんてのは唯一つ。

 

 

 

遊びたい

 

 

 

それだけです。

でも、さすがにそれはダメです。いくらなんでも「東京で遊ぶのにいちいち移動するのめんどくさいんで、それなら自分が異動したほうがラクかなと思いました。”いどう”だけに」みたいなことを言ったらぶん殴られても文句言えません。

藤浪の死球くらい怖い玉が飛んできても何も言い返せません。

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この場を上手く切り抜ける適当でそれっぽい嘘は何かないものかと考えを巡らせて投げた玉は……

 

「まぁ、やりたいことがありまして」

 

という外角いっぱいのストライクゾーンギリギリを狙った挙げ句スっぽ抜けてど真ん中に行くというクソボール。

さて、投げてしまったボールはもう止まりません。内心では「ま、まぁ嘘は言ってないし。やりたいことっていうのが仕事の話じゃなくて思いっきり趣味の話だけどそれは騙したとかじゃなく聞かれなかったから言わなかっただけだし」みたいに開き直るしかありません。

それに対して上司。

 

「ふーん、やりたいことねぇ」

 

そりゃあ訝しげな目で見てきますよね。当たり前ですよね!どう考えても「今の仕事やる気ないんで適当に人の多いところでラクな仕事させてくださいよ」って顔に書いてあるやつが目の前に立ってるんですもんね。実際はそれよりもっとひでぇこと考えてるわけですが。

と、そこで何かに気づいた様子の上司。ヤバい、適当言ったのがバレたか!?

 

「お前あれか、結婚でもすんのか」

 

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LIT「へ?」

上司「いや、お前みたいな仕事やる気ない独身の奴がいきなり転勤したいって言う時は大抵そういう理由だから」

LIT「は、はぁ」

上司「えっ、違うの?」

 

さぁここで脳みそフル回転のお時間です。

ここで素直に「そんなまさか、東京出れば遊ぶのにラクだからに決まってるじゃないですかーハハハ」と言ってしまえば恐らくぶん殴られます。だけどすぐさま訪れる予定もないことを言ってしまえば、それは嘘になる。それなりに世話になってきてる上司です。騙してまで自分の願望を手にするのはなんだか悪い気がしてなりません。

と、そこでもうひとりのLITさんの囁きが聞こえました。

 

(……きこえますか…きこえますか…LITさん…もうひとりのLITさんです……私は今……LITさんの心に……直接…呼びかけています……結婚はするかもしれないししないかもしれない……そう言っていたのは貴方です…するかもしれないということは……ここで肯定してしまっても…嘘にはなりません……ならないのです…)

 

なんだか悪魔のような囁きですね。

考え抜いた末、LITさんは答えました。

 

「まぁ、そんなところですかね」

 

まぁ、そんなところですかね。

なんともゆるふわな答えではないでしょうか。世の中のゆるふわ系女子にも負けてない絶妙にモヤッとした回答です。筆者が伊東四朗ならきっとボールの雨が降っていたところです。

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上司はなんだか納得したんだかしないんだかわからない面持ちで、「ま、とりあえず駆けってみるけど県外(の異動)ってホントに稀だからあんまり期待しないでな」とだけ言ってスタスタと居なくなってしまいました。

その後、結局その上司もその更に上の上司も転勤で先に居なくなってしまったのでこの話は恐らくどっかに葬り去られてるんでしょうね。どうにもこうにも職場はアテにならん。そんなことを考えていた筆者ですが、とあることに気付きました。

 

 

そうか、仕事探せばいいんだ。

 

「LITさんと舐め腐った転活の話③就活よりも舐め腐った転職活動編」に続く(続きの更新は未定です。いつかまた気が向いたら書きます)

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