アットホームでいい落語会でした
なっげぇタイトルだな
昨日に続き、雛菊2daysの二日目です。
祖師ヶ谷大蔵のアトリエそら豆さんの9周年記念落語会ということで、今回は地元住みの柳亭小燕枝師匠とそら豆で3回落語会をやっている雛菊さんの二人会。
営業力抜群の名物女将に誘われるがままに行ってきましたので、今日はそんな記事ですよろり。
これは船ですか? いいえ、筏です
会場がそら豆じゃないことは知っていましたが、開場時間を30分間違えて早く着いてしまうというしくじりにも関わらず快く入れてくださった女将さんには感謝しかありません。
今回は軽食付きということで「おにぎりセット」「バインミー」から選べたわけですが、はて、バインミーとは……?
なるほど、おにぎり一択ですね!
ここからはネタの感想です。
一目上がり 柳亭小燕枝
小燕枝師匠、一弥時代に一度、披露目で一度拝見して以来の高座です。2つ目時代にそら豆で何度も会をやっていた話をマクラで振っていましたが、これからもたまにでいいから出てほしいものです。
一目上がりって割と本当にお客を選ぶ(洒落と落語の構造がわからないと面白くない)噺なんですが、聞きやすくそれでいて表情豊かな高座姿は、さすが名跡を継いだだけあるなぁと言った印象です。
個人的にカッポレの人っていうイメージがあったので、踊らない高座は新鮮だったり(それはそう)
船徳 古今亭雛菊
昨日の地獄のような(本人談)親子リレーを終え、晴れ晴れとした様子で高座に上がる雛菊さん。恒例になった汗被り席の話をしたあとにかけた噺は、船徳。雛菊さんの船徳は説得力が段違いなので必見です(汗びっしょりになるので)。
徳さんがホントに御大家の若旦那って感じの世間知らずイキリボーイで、その感じがしっかり出てるのがよかったです。ただ、この日の高座が会議用の長テーブルを3個繋げた簡易作りだったので、船を漕ぐ毎に高座が崩壊していくというアクシデントもあったりなかったり。それも含めてそら豆だなーって感じでよかったです。
あくび指南女版 古今亭雛菊
仲入りを挟み、食いつきは雛菊さんです。
グッズの宣伝や来月の収録の宣伝もひとしきり終え、かけたネタはあくび指南……なんですが、どうも様子が違う。筋は一緒なんですが、主人公が雪さん(女性)なんです。あくびのシチュエーションも遊郭だったり老女だったり北条政子だったり(!?)、男の多い落語においてこの構成は非常に新鮮でした。
あとから聞いたところ、柳亭こみち師匠の改作「あくび指南女版」を貰ったのだとか。どこでもかけていいよ〜と言ってくれるこみち師匠の懐の大きさも伝わる噺でした。
試し酒 柳亭小燕枝
トリは小燕枝師匠です。どんなハプニングにも動じないそら豆のお客に驚きながらも、どこかリラックスした様子で高座に上がる小燕枝師匠。地元だとは聞いてましたが、具体的な家の場所まで言ってて笑っちゃいました。
トリネタは試し酒。いやぁーーーー、美味そうに酒を飲むこと飲むこと。そしてぺろっと平らげるものだから、飲ませた方の驚いた表情がたまらなく滑稽で、笑った笑った。所作や表情でしっかり笑わせてくる、さすが実力派の若手真打って感じします。でもって、ちょっとずつ酔っ払っていく仕草がね、もう完璧ですよ。本当に酒を飲んでるんじゃないかってくらいの酔っ払いっぷりがたまらなかったです。