旅人は唯、麺の道を辿り麺の国へと流れ着く
立川。
東京の西側に位置し、中央線沿いでは比較的大きなベッドタウンである。交通のアクセスが良いことから、駅前は居酒屋から夜のお店まで多くの店が立ち並んでいる。
そんな街に、仕事で降り立つ。今月はホームグラウンドを飛び出し、ビジターでの仕事が多い。さながら旅人にでもなった気分だ。そして、旅の醍醐味は現地の美味そうな中華屋と相場は決まっている。
駅の喧騒からほんの少し離れた場所に、その国は突如として現れた。
「中華食堂 二ノ國」店内を覗くと、仕事終わりのサラリーマングループが一組と、夫婦が一組。どうやらメシにも有りつけそうだ。なにより、オススメの担々麺が美味そう。今日は麺の気分だったので、喜び勇んて入店――もとい、入国を決めた。
胡麻の香りと花椒のアクセントは思わず定住したくなるレベル
とりあえず水を含みつつ、メニューとにらめっこ。と言っても、心は既に決まっていて、それがオススメに載っていた「二ノ國担々麺」だ。
あまり辛くなさそうな見た目のスープに、ストレート麺。具材は炸醤に青梗菜と至ってシンプルな構成が嬉しい。これでいい感がたまらない。
いざ、実食。
口の中で優しく広がるスープ。辛さはほとんど無く、代わりに胡麻の香りと旨味、奥にほんのり感じる花椒の〝辣〟で楽しませてくれる。疲れた身体にはこのくらいの低刺激がちょうどいい。んまい。
そしてもう一品。
中華屋と言えば餃子。国が変われば餃子の味もガラリと変わると相場は決まっている。果たして、二ノ國の餃子のお味は。
「しっかり味ついてますんで」という店員さんの勧めで、まずはそのままパクリ。たしかに、タネにしっかりと味がついていてそのままでもいけてしまう。肉の脂はさほど多くなく、味がついてるとは言っても飽きの来るようなガッツリ味ではないので、これなら何個でも食べられそうだ。
おすすめは酢コショウらしく、淡々と従う。あーーー、これは確かに酢コショウで食べる餃子だ。軽い味付けがされているからこそ、素材の味を引き立たせつつピリッと引き締めてくれる酢コショウが、確かに合う。
待ち時間は麺が約5分、餃子が遅れてやってくること2、3分と言ったところか。どっちもしっかりと美味しかったし、満腹感も得られた。他にもメニューは豊富みたいなので、次は炒飯を食べにまた来よう。
ごちそうさまでした。