ゆたんぽを抱いて寝る。

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猫のこと、本のこと、アニメのこと、野球のことetc...思いついたまま、気の向くままに。

ゆたんぽを抱いて寝る。

台風にも負けず落語漬けな1日(後編)

うっかり写真撮り忘れたので拾い物で失礼

 

当日券は台風とともに

前編はコチラ

 

梶原いろは亭で楽しい時間を過ごし、電車遅延にもめげずに今度は国立演芸場へ。

目的はもちろん「桂文治襲名十周年記念落語会」です。

行こうか行くまいか迷っていた……というより全く予定が読めないまま前売が全部捌けたという報を聴き途方に暮れていたところ、どうやら当日券が若干あるとのこと。ところが、国立演芸場に聞いても「ウチは場所だけなんでチケットは主催に聞いてくださいな」と返されてしまう。

ポスターの「お問い合わせ」に電話すると、なんとこの天気で一枚キャンセルが出たのでそこで良ければ、と言われまして。大きな声じゃ言えませんが、台風バンザイです。そんなこんなで無事にチケットを手に入れ、いざ国立演芸場のホールへ!

 

爆笑爆笑大爆笑

今回は出演者3人ゲスト5人というどっちが出演者でどっちがゲストなのか分からないというある意味豪華な構成でした。個人的には元弟子の小痴楽師匠が出られているというのが本当に素敵なことだなと思いますね。

 

たらちね 桂空治

開口一番は弟子で前座の空治さん。満員御礼の国立演芸場でもキッチリと師匠をイジっていくという強靭なハートの持ち主です。いつか養子になって文治師匠のお世話をしてくれる日を楽しみにしてます。

なんてことをやってたら、まさかの言い立てをトチるっていうね。

弘法も筆の誤りなんて申しますが、プロだってトチることはあるわけで。調べてみたら(前があったので)この日2席目だっていうじゃないですか。しかも1席目はやかん。言い立てが続きますからね、そりゃあ疲れも出るってものです。それも込みで会場は大爆笑でした。

 

悋気の独楽 桂鷹治

続いて、総領弟子の鷹治さんが上がります。座布団に座るやいなや「はぁ……」ため息1つで会場から笑いが起きる、実にいい雰囲気です。「マクラなんか振るから」キッチリと弟弟子をイジりつつ、今日の着物の紹介もしていく鷹治さん。見事に座布団と色が被ってて不覚にも笑っちゃいました。

さて、話の方はと言うと悋気の独楽というちょっと珍しいネタ。

ja.wikipedia.org

鷹治さん、普段はおっとりとして物静かな雰囲気なんですが噺に入るといい感じの狂気を感じさせてくれる、なんとも癖のある面白い噺家さんです。それでいて、そこはさすが文治師匠門下、キッチリ笑わせてくれるんですよね。

定吉が独楽を回す場面が特に面白く、ずっと笑ってた記憶があります。初めて見たネタだったんですが、いやぁ楽しいネタだった。

 

真田小僧 柳亭小痴楽

ここまで空治さんが時間をこぼし、鷹治さんが時間をこぼし、そんな中で上がったのが元弟子の小痴楽師匠。「文治一門は一体どうなってるんでしょうかね」とマクラでイジってるのが、寝坊と遅刻が原因で破門になった人間というのが実に落語っぽくて好き。

噺の方はと言うと最近芸協の噺家さん、特に若手の噺家さんが真田小僧やってるのを見る事が多い気がします。当然人によって細かいところは違うんですが、小痴楽師匠も例に漏れず亀坊がまぁ小憎たらしいこと。

 

葬儀屋さん 笑福亭福笑

上方からゲストで来ていただいたのは、福笑師匠。調べたら、四天王の1人、6代目笑福亭松鶴師匠の直弟子なんですね。さすが上方の師匠、マクラからもう面白い。これも後で調べた噺なんですが、この日かけた「葬儀屋さん」という新作は得意ネタとのこと。

もうね、まじで腹抱えて笑いました。兄妹がまじで頭おかしいくらいのいい加減な連中で、葬儀屋が終始呆れながら式の段取りを決めていくっていう場面が本当に面白くて。今回は15分尺だったのでダイジェストみたいな感じでしたが、ぜひともフル尺で聞いてみたいなと思わせてくれる、そんなパワーあふれる噺でした。

 

口上 芝楽・昇々・小痴楽・文治・文我・福笑

記念口上の司会は盟友(?)にして旅仲間(?)の柳亭芝楽師匠。

真打披露でもそうですが、芸協の口上っていうのはどうしてあんなに面白いのか。上方の師匠に「口上ちゃうわ、これ大喜利や」と言わしめる本当に大爆笑の口上でした。っていうか昇々師匠がのっけからぶっこみまくってて、いやぁ笑った笑った。

最後の手締めは、福笑師匠がいらっしゃるということもあり大阪締め。筆者も実際に叩くのは初めてでしたが、実は鷹治さんがマクラでちょっと稽古してくれてたっていうね。おかげで間違えずに出来ました。

 

最終面接 春風亭昇々

前座の時代から文治師匠に(いろいろと)かわいがってもらったという昇々師匠が上がります。成金メンバーにして小痴楽師匠とはほぼ同期という昇々師匠ですが、やっぱり昇太一門は新作ですよね。

この「最終面接」という噺は実際に面接やって社畜になった筆者としてはもう爆笑の連続で。こんなヤツが面接に来たら絶対ヤダよなって思いつつ、噺の勢いとテンポにどんどん引き込まれていって。サゲが秀逸なんで、また聴きたい噺ですね。

 

音曲質屋 桂文我

上方からのゲスト枠、二人目が桂文我師匠。上方の師匠方を東京で見る機会は珍しいので、見られるだけでありがたいというもの。福笑師匠もそうですが、やっぱりマクラから面白いのはさすが関西の血というやつか。

さて、噺は「音曲質屋」という筆者は初見のネタ。質草にいろいろな”音”を持ち込むという噺なんですが、都々逸に音曲、浪曲まで様々な”音”が入っていてこれが実に面白い。調べたら、演者によって本当にいろいろなバリエーションがある噺なんですねこれ。他の人の噺も聞いてみたくなりました。

 

玉すだれ 柳亭芝楽

まさかの色物枠で登場の芝楽師匠。

そういえば玉すだれを生で見るのってこれが初めてでした。いやはや、縁起物ってだけあって会場が更に明るくなること。そんでもって、玉すだれひとつであんなにいろんなものができるってすごいなって感心しちゃいました。裸電球は笑う。

 

肥がめ 桂文治

満を持して本日のトリ、十周年を迎えた文治師匠が高座に上がります。

十周年を迎えるにあたっての感謝の言葉や、いろいろな思い出話。語りだしたら尽きないことでしょう。筆者も文治師匠にハマってまだまだ日は浅いですが、二十周年三十周年を祝えることを楽しみにしたいと思います。

そんな記念の会でかけたネタは「肥がめ」会場の一番うしろに座っていた筆者のところまでニオイが飛んできそうな、そんな熱演でした。文治一門は笑いの芸、それを体現するような大爆笑の噺でしたね。本当に楽しい時間でした。

 

3時間あっという間

筆者が落語と出会いハマった頃はすでに先代は鬼籍に入っていたし、今の文治師匠が平治だった頃を筆者は知りません。それでもなにかの縁で文治師匠の落語と出会い、見るたびにどんどん面白さに気付かされていく。本当に楽しい会になりました。

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