ゆたんぽを抱いて寝る。

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【読書記】フルメタと出会って二十数年の原作大好きおじさんが「フルメタル・パニック! Family」を読んで嬉しくなった【ネタバレ有り】

大満足でした

 

Amazonから最速で届けられた

フルメタの新作が出るよ! それも賀東先生と四季先生の原作タッグだよ! という話は以前のブログでしたと思います。

l-i-t.hatenablog.jp

あれから半月とちょっと。いよいよ発売になりましたよ「フルメタル・パニック! Family」

筆者は発売日当日本屋に寄れるか微妙な生活だったので、Amazonで予約しておきました。もちろん家に帰ったらキッチリポストインされていたので、そのあたりは抜かり有りません。下駄箱に爆発物を仕掛けられてもわかるよう髪の毛を挟んでおくくらいの用意周到さです。

今日はお休みを利用してサクッと読んだので、粗い感想と言うよりも一人のフルメタ大好きおじさんの回顧録みたいな記事になりそうですが、よければ続きをどうぞ。

 

長編とも、短編とも、アナザーとも違う、新しい「フルメタ」がそこにあった

この記事を読んでいる人にフルメタ未履修の人が居るとは思えないのですが、一応簡単に説明しておくと、フルメタル・パニック(以下「フルメタ」)シリーズには大きく3つのシリーズが存在します。

ひとつは、長編シリーズ。

タイトルの法則は「『◯◯』『◯◯・◯◯・◯◯』」

原作の一番要になるストーリーです。割と順調に人が死んだり人を殺したりするハードボイルドな一面だったり、ド派手なAS(アーム・スレイブ)同士の戦闘があったりします。完結は10年以上前ですが、非常にいいラストでした。

 

次は短編シリーズ。

タイトルの法則は「『~ない』『◎(漢数字)◎◎◎(四文字熟語)』」

主に陣代高校を舞台にして宗介やかなめ達がドタバタと騒ぐ学園コメディがコチラ。アニメの「ふもっふ」はコチラのシリーズを映像化したものですね。人気が高いのはなんとなくこっちな気がしますが(軽く読める&見られるので)、筆者はどっちも好きです。

 

もうひとつは、アナザー。

文字通り「アナザー」の名を冠するだけあって、時間軸が別のフルメタです。具体的には完結から12年後、市之瀬達哉少年がひょんなことからASを使った泥臭いあれこれに巻き込まれていく……というお話。実は筆者は途中で止まってるので、改めて読み直ししなきゃなぁと思ってる作品のひとつです。

 

で、今回の「Family」はと言うと、時間軸は完結から20年後、つまりアナザーから更に8年後ですね。舞台は、これどうなんでしょうか。日本ではあるんですが、大宮だったり江東区だったり鎌倉だったりと、まぁ首都圏のあちこちです。結婚した宗介とかなめと、二人の子どもたちの非日常的な日常にフォーカスした作品なんですが、雰囲気としては長編ほど重くなく短編ほど軽くなく、アナザーほど巻き込まれ型でもなくといったところ。笑える部分は笑いつつ、ちょっぴりシリアスな部分はシリアスで、本当にまた新しいフルメタに出会えた! という感じでしたね。

 

大人になった陣高メンバーの”今”を見られる嬉しさがそこにあった

高校卒業から20年。18歳だった彼らも、もうアラフォー。本作には、特に第2話には特に多くの陣代高校OB達が登場します。かなめの大親友常盤恭子に、最初は犬猿の仲から始まった稲葉瑞樹、生徒会メンバーだったお蓮さんこと美樹原蓮。3人中2人が名字変わってるっていうね。しかもさぁ、恭子は小野寺だし、お蓮さんは林水ってねぇ。いやわかっちゃいたけどさぁ、なんか改めて時が経ってそうくっついたんだなぁっていうのがわかると嬉しくなっちゃいますね。瑞樹がずっと恋多き人生を歩みながら未だに独身っていうのも、なんとなくそれっぽいなって思っちゃいますし。

みんながいろんな人生を歩んでいて、みんなが20年後にちゃんとそこにいて。十数年前に止まっていた時間が、急に動き出したような気がしました。特に、林水敦信会長閣下(と、宗介に習ってこう表記させて下さい)と宗介が再会する場面……あれはねぇ、ずるい。下手したらもう二度と会えないかもしれなかった2人が、ああいう別れ方をした2人が、こうして20年ぶりに再会できた。そして、20年の間にすっかり変わった林水先輩が、あれからどういう人生を歩んできたのか。それを見た宗介がどう感じたのか。かなめも言ってますが、あの2人の関係って学生時代からずっと、あるいみかなめですら立ち入れない関係性があったじゃないですか。それが長い時間を経ても何も変わってない――あるいは、良い変化を見せているっていうのは、本当に嬉しくなっちゃいましたね。

同時に、考えさせられたのはかなめと恭子や瑞樹との関係性。なんかねぇ、このあたりのリアルさってすごいわかる。どんなに学生時代仲良かった友達でも、片方あるいはどちらも結婚したりして忙しくなるとなんとなく疎遠になったりするものなんですよね。逆に独身の友達はフットワークが軽くて卒業後にもっと仲良くなったりして。そのモヤモヤだったりする部分が、20年経ったから出てくる難しいところなんだろうなぁと思いながら読んでました。

 

宗介が一番大人になった気がする。色々とね

賀東先生が常日頃言ってたことですが、フルメタってラノベの皮を被った洋画ですから。そりゃあ相応に年を取ったら年相応なことをやってて当然ですよね。そもそも2人子供がいるってことはそういうことでしょ? LITさんだってそれくらい知ってるよ。くらいの気持ちで読み始めたんですがね、いやぁーーーー宗介お前やってんな。いやわかる。わかるけど。なんだろうラブレターのラの字すら知らなかったあの朴念仁がですよ、隙あらば嫁さんとラブラブちゅっちゅするような男になるとは思わないでしょう。いやそれももうちょっと照れとか恥じらいとかあるんじゃないかだって宗介だよ? と思ってたら、むしろ宗介の方からがっつり行くじゃん。スキンシップ代わりにキスするし当然のように朝から抱こうとするし、いやまぁたぶんこれも20年のうちにいろんな変遷を経て今こういう宗介がいるんだよなって思ったら感慨深いですよ。そもそもちゃんとベッドで人と眠れるっていうだけで、LITさん涙が止まりませんよえぇ。

それにしたってがっつきすぎな宗介で笑っちゃいますけどね。

「やあだ、ごはん作るところよ」

「きみがごはんだ」

この場面めっちゃ好き。あと3話は仕方ない。ただでさえ20年の時を経て心身ともに成熟して、「恋人にしたくない贈呈品イーター」という悪名を捨てて魅力度マシマシな嫁さんがなんの断りもなく当時の制服姿で自分の背後に立ってたら、そりゃあ襲いたくなるのもわかる。男だもん。仕方ないよ。

 

続いてほしいなぁ

とまぁ、書きたいことはまだまだあるんですが(2人の子供について全然触れなかったですしね)、それはまた機会があればということで。夏美と安斗の名前の由来は読んでてグッとなっちゃいました。このシリーズが続くのかどうかわかりませんが、出来れば2巻、3巻と続いて欲しいものです。

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