空治さんのいいカメラ目線いただきました
小雨の降りしきる天皇誕生日、日暮里へ
2月23日は天皇誕生日でお休み。令和も6年目に突入しているハズなのですが、未だに天皇誕生日が2月であることに慣れません。あいにくの小雨……どころか、雪の予報が出ている中でしたが、日暮里サニーホールコンサートサロンで行われた桂文治師匠の独演会に行ってきました。
先日のらくごカフェもそうですが、徐々に空治さんの二ツ目が迫ってきている中での独演会。前座仕事もいよいよおしまいなんだなぁという実感も噛み締めながらの会となりました。
お祭りムードたっぷりで寒さを吹き飛ばす明るい独演会でした
会場に着くと、空治さんが客席にチラシを配っていました。5月19日の二ツ目昇進祝いの会、筆者も予約済です。豪華なゲスト陣(神田松鯉先生、三遊亭わん丈さん*1)も手伝って、楽しみな会になりそうです。
二ツ目の披露目は3月1日池袋昼席からスタートです。お時間の許す方は是非池袋へ。
そうこうするうちに、独演会の幕開けです。
松山鏡 桂空治
出囃子が「前座の上がり」じゃなかったので、もしかしてこれになったのかな? と思いつつ。拍手喝采の中、高座に上がります。厳密には二ツ目になるのは来週からなのですが、それでもこのお祝いムード、お祭り感は嬉しいですね。
一席目は「松山鏡」。文治師匠譲りの、とにかく笑いを取りに行くダイナミックな高座です。やっぱりパワフルで見ていて笑いが途切れません。これが二ツ目になってどう変わっていくのか、あるいはこの路線を貫いていくのか。注目ですね。
試し酒 桂文治
弟子の二ツ目昇進を控えて、文治師匠のお顔もこころなしか嬉しそうに見えたのは筆者だけでしょうか。
一席目は「試し酒」。「親子酒」もそうだし「二番煎じ」もそうなんですが、文治師匠の演る酒の噺は、本当に酒臭さが客席まで匂ってくるような気がするほどです。一滴も飲んでないハズなのに、本当に酔っ払ってるように見えてくる。ややもすれば、顔も紅潮しているのではないかとすら思えるほどに、本当に名人芸だなと思います。
でもって、これがまた面白いのなんのって。爆笑アンド爆笑で笑い疲れるほどの爆笑高座になりました。酒飲みたくなりますね。いや、五升は流石に飲めませんが。
鈴ヶ森 桂文治
仲入りを挟み、食いつきでかけた根多は「鈴ヶ森」
もはや芸協若手の「鈴ヶ森」は文治師匠の血が通ってると言っても過言ではない程に完成されて、尚も進化し続ける笑いの金字塔それが文治師匠の「鈴ヶ森」です。もうね、何度見ても何度も笑っちゃうし、何度も見たくなっちゃう。十一代目桂文治の代表根多を一つ挙げてと言われたら、筆者はやはりこの「鈴ヶ森」を挙げたくなりますね。
おーい旅人、から始まる台詞は文治師匠の「鈴ヶ森」を何度も聞いたおかげで筆者もすっかり覚えました。追い剥ぎは出来ませんけどね。
普段の袴 桂空治
最近高座でかかる率が高い、空治さんの「普段の袴」
らくごカフェの会で師匠に指摘された部分をしっかり修正しての高座になりました。面白かったのは、ここぞとばかりに「袴は来週からなんだよ……」「黒紋付も来週からなんだよ……」と今しか出来ないくすぐりを存分に入れてくるあたり、流石だなと思いましたね。火種が飛んで熱そうにしている仕草は本当に熱そうで、このあたりは流石文治一門だなぁと思う、そんな高座でした。
味噌蔵 桂文治
ケチの噺をする時は必ずと言っていいほど先代文治師匠のエピソードが沢山出来るのは、文治師匠だからこそなんでしょうなぁ。吝嗇で有名な十代目だったらしいですので、その手のエピソードは無限にあるんでしょうね。
噺の方はと言うと、番頭さんが経費をどがちゃがする場面で「●●派もお得意の」っていうくすぐりを入れていくスタイルほんとに面白かったです。やっぱりね、落語っていうのはこうやって権力やおえらいさんを弄り倒して笑いを取っていく庶民の娯楽なんですよね。いやぁ、笑いに笑った。
今日のテーマは?
毎回テーマを設けて根田を出している文治師匠の独演会。今回のテーマは、果たしてなんだったでしょうか。
「試し酒」「鈴ヶ森」「味噌蔵」
「試し酒」と「味噌蔵」だけだったらテーマはお酒なんでしょうけど、「鈴ヶ森」にはそれがないんですよね。師匠は「わかりやすいかな?」と言ってましたが、まじで今のところわかりません。分かった方が居ましたら、是非コメント欄か筆者のツイッターまで。