ゆたんぽを抱いて寝る。

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2024.3.24墨亭「桂文治の会」

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楽しい会でした

 

春の訪れは一進一退

温かな春の陽気がやってきたと思ったら、寒の戻りで冬の寒さが逆戻り。そんな三月も下旬に差し掛かった24日、久々に墨亭の文治師匠の会に行ってきました。

今回は空治さんが二ツ目昇進&新宿の昼席に出ていることもあり、久々にひとりで2時間3席たっぷりの会。珍しい根多も聞けてとても楽しい時間となりました。

 

まだまだ知らない噺がたくさんあるなぁ

開場前から既に墨亭前には列が出来ていて、文治師匠の人気が伺えます。15人程の小さな寄席ですが、吐息が聞こえるほどに近い距離で高座のみられるこの寄席が筆者は好きです。さて、時間になり幕が上がります。

 

肥がめ 桂文治

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前述の通り空治さんが不在の為、ここまで電車でやってきたというマクラから始まった墨亭の会。これからこういう機会も増えるのだろうなぁと思いながら見ていると、1席目は「肥がめ」です。

酒飲みの噺は本当に酔っ払っているような錯覚を抱く文治師匠ですが、臭い噺はこちらまで臭ってくるような気になってきます。とにかく全身でクサいを表現する、この解像度の高さが文治師匠の芸の真骨頂よなぁと思わせてくれる、そんな「肥がめ」でした。

 

がまの油 桂文治

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そのまま2席目へ。喉の調子が良くないということでしたが、それでも高座に上がるとパリッとした空気でもって根多を演れるのは流石プロというものです。

文治師匠の「がまの油」、前半の口上はいつ見ても惚れ惚れするような見事な口上です。筆者がお立会いだったらつられて買ってしまいそうな程に見事な口上です。だからこそ、後半のグダグダっぷりが活きるわけですが。あそこまでベロンベロンに酔っ払った油売りは実に滑稽で、腹か捩れるほど笑ってました。ほんと、見事の一言に尽きます。

 

鰍沢 桂文治

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仲入りを挟んで、あとひと根多。亡くなった名人を偲ぶ、そんなマクラが印象的でした。生きてる人の芸は生きてるうちにしか見られない、そんなことを改めて思わせてくれましたね。

さぁトリにかけたのは「鰍沢」です。圓朝もので「芝浜」「文七元結」と並ぶ大根田と言われているこの噺ですが、実はちゃんと聞くのはこれが初めてでした。人の欲や業と言った人間の、落語という芸の根底にあるドロドロとした人間関係を見た気がします。ダイナミックな動きと声の文治師匠だからこそ、後半の息を呑むような展開にはぐっと引き込まれました。

 

次回は4/7夜です

久々の墨亭でしたが、やっぱりいい寄席だなぁと再認識。こと文治師匠に限って言えば、普段の寄席ではなかなか掛からない根多や「こんなのも持ってたの!?」という根多まで見られます。あとは本当に小さな寄席なので、時折階下から瀧口さん(席亭)の笑い声が聞こえるのも、みんなで楽しく聞いてるんだなぁという雰囲気があって大変良きです。

次は4月。5月からは空治さんも勉強会をやるとのことなので、そちらも楽しみにしていきたいですね。

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