こういうの憧れるけど薪用意するのは無理
10月某日、僕はストーブのスイッチを入れた
ある日の朝のこと。
目が覚めると妙に寒い。それはもう、布団から出るのが嫌になるくらいの寒さです。
今まで肌寒いかな……と感じることはあれど、ここまで強烈に”寒さ”を痛感したことは今シーズン無かったはず。しかしながら、肌を刺すようなこの冷気は、あるいは雪女でも潜んでいない限り間違いではないハズです。むしろ雪女だったら大歓迎までありますよね。
ンな馬鹿なことを考えつつ、筆者は必死に悩みます。
ズバリ、ここで暖房をつけるか否か。
言うてまだ10月後半。これから秋が深まり冬がやってくるというのに、こんな早い時期から暖房を稼働させてしまったら本格的な冬を乗り切れないんじゃないかという、なんともバカバカしい不安が筆者にはあるのです。
だって、考えてもみてください。寒いと言っても外気温はおよそ10℃、室内温度はおよそ16℃前後と言ったところでしょう。これで”寒い”と感じているようでは、東北の冬は越せません。部屋で氷漬けになった三十代男性のご遺体が発見される日も近いでしょう。
しかし、一方で心の中のハンチョウが筆者に語りかけるのです。
猫亡き今、ぬくもりのカケラもない寂しい独身30代男性の部屋。せめて温度だけでもぬくもりに包まれながらあったかいご飯を食べられたら幸せじゃあないかと。たとえそれがモヤシと鶏肉だけの限界メシだとしても……!!
幸いなことに、筆者のアパートには結構な量の灯油が備蓄されています。思い返せば数ヶ月前。原油価格が暴落してガソリンを始めとする石油製品がアホみたいに安くなった時に、ポリタンクをひとつ買い足してまで灯油を買い溜めしておいたのです。
石油の貯蔵は十分か? 衛宮士郎なら筆者にこう問うたことでしょう。えぇ、筆者の目測では、少なくとも年内いっぱい、上手く行けばあと3ヶ月は灯油を買いに走らなくともなんとかなるレベルの貯蔵量、それが20リットルポリタンク×3個なのです。
色々と考えること数分。
意を決して、ストーブのスイッチを入れました。2020年の後半戦を守る大事な中継ぎ投手ストーブが今、筆者スタジアムのマウンドに立ちました。ホコリの燃える匂いとともに、これからの寒い季節を託したいと思います。