白雪姫さん
小人って差別用語なんですか
白雪姫が何度目かの実写映画になるそうで。
いや、黒沢ともよちゃんの名演技じゃなくて。
満を持してディズニーが制作するというからそれだけで話題になってたんですが、キャスト選考が当初から色々と物議を醸してたんですよねこれ。
ラテン系白雪姫……極東の島国に住んでる筆者にはわからない感覚ですが、やっぱりアメリカ本国では批判もあったみたいです。批判の矛先が女優さんじゃなくてディズニーに向いてたのは少し安心でしたが、それに加えて今度は『七人の小人』の設定が如何なものかっていう声が上がってるんだとか。それも、今度は役者の方から。
「冷静な気持ちで何を作っているのか考えてほしい。白雪姫役にラテン系の俳優をキャスティングという進歩的な方向をとりながら、相変わらず7人の小人がひっそりと暮らす設定を受け継ごうとしているのか」
ラテン系の俳優を起用することが進歩的なのかどうかという議論はさておき、そこに引っかかりを覚えるんだ、という新鮮な驚きが一番に来ました。七人の小人は森の中に住んでいるなんていうのは子どもの頃から疑ったこともないしそれがいいとか悪いとか、そんな基準で考えたことすらありませんでしたしね。
ディズニーは「異なるアプローチ」を考えると回答してるみたいですが、さてどんな出来になるのやら。
原作の設定をポリコネ棒で殴ってひん曲げてまでやる？
ラテン系白雪姫に関しては批判もありながらまあ受け止められてるみたいですが、例えばこれが黒人系白雪姫だったらどうしたんでしょうね。というか、今の欧米諸国を見てると遠くない将来ほんとにやりそうなのがちょっと怖いんですけどね、黒人系白雪姫。黒いのか白いのかどっちなんだい……なんて言ったら炎上しそうですがまぁ燃えたら燃えた時です。
批判を恐れず創作の観点から言えば、黒人にしちゃった時点で「それ、白雪姫じゃなくてよくね？」という話になってくるわけで。世界的に白雪姫って「雪のように白い肌と血のように赤い頬、黒檀のような黒髪を持つ少女」なんですよ。黒人にしちゃったらもうわけわからんことになるじゃないですか。でも、欧米諸国の倫理観というかポリコネ的には、これも多様性として表現して然るべき、あるいは表現しなきゃいけないみたいな風潮なんですよね。
七人の小人についてもそれと一緒で、小人を小人として描くのは如何なものかっていう批判に対して天下のディズニーであっても「知るかばーか」って言えないのが今の欧米諸国の現実なんだと思います。だって、小人は小人でしょう。もっと言えば、創作物に登場する小人（ドワーフ）を現実の小人症の人とイコールで考えてしまうほうが筆者は危ういんじゃないかと思ってます。
というか、「小人症に配慮を！」って言ってるその人が一番小人を差別的に見てると思うんですがどうなんでしょうね。実際、この批判に関しては別の小人症の俳優さんから反論も来てるみたいだし、筆者はこちらの方に全面的に賛成です。小人だからとか黒人だからとかそういう理由で脚本をキャストに合わせるんじゃなく、その人に合った配役を用意できればそれが一番だと思うんですよね。それが多様性を認めることなんだと思います。
そのあたりを上手くやってたのはジョージ・ルーカス監督でありスターウォーズという作品ではないでしょうか。
R2-D2はラジコンじゃなくて中に俳優さんが入ってるというのは有名な話ですが（一部ラジコンもあったみたいですが）、R2-D2を演じたケニー・ジョージ・ベイカーは身長112cmの小人症です。彼はR2-D2役がきっかけて世界的なスターになり、スター・ウォーズを通じて小人症を世界の人に知ってもらったとインタビューで答えています。
白雪姫の話に戻りますが、小人という存在をなかったことにしてしまう、それが社会正義だとポリコネ棒をぶん回す派閥が残念ながら今は幅を利かせています。それをやりすぎると、キャラクター設定とかその設定に沿った物語づくりとかそういうのが全部ダメになっちゃうんですよ。小人だからこそ出来る物語の転がし方がたくさんあるし、それを無理やり普通の人間と同じにしてしまったら物語そのものが壊れちゃう。それでもポリコネが大事だというのなら、やっぱりそれは誰かがおかしいと言わなきゃいけないし、筆者は言っていく姿勢をとっていこうと思ってます。
まぁ、そもそもディズニーのアニメ映画の時点で本家グリム童話の設定からだいぶマイルドになってるのはあまりに有名な話ですが。白雪姫は小人が蹴躓いた拍子にリンゴ吐き出して生き返ったのが原作のストーリーだし、王妃はその後灼けた靴を履かされて殺されてますしね。おぉ怖い怖い。
王子様？ ただ通りかかっただけのネクロフィリア野郎ですよあいつ。
