こういうのが公式で見られる、いい時代になったもんだ
この師匠のこの噺がすごい
今日紹介したいのは、柳亭小痴楽師匠。
16歳で入門し噺家の道に進むも、しくじりの連発で破門に次ぐ破門、合計17度の破門を食らいながらも無事2019年真打に昇進。非常に快活で江戸前な、聞いていて気持ちがいい落語を演る筆者の大好きな師匠です。
そんな小痴楽師匠の高座、何度も見ているわけですがとりわけオススメしたいのが「蔵前駕籠」という噺。この噺を高座で見たのは、去年の某日。小痴楽師匠にピッタリな噺でさぞかし得意ネタなんだろうなと思って調べたら、なんとこの年のはじめにネタおろししたというから驚きです。
江戸前――という言葉が合っているかわかりませんが、勢いのある若手が聞きたいという人には是非ともおすすめしたい師匠です。3月は浅草演芸ホールの中席に上がる予定ですので、興味のある方はぜひ。
いや、この芝居ちょっと見たすぎるな。夢花師匠がトリってだけでもワクワクなのに、顔付けがLITさん好みすぎる。
2022年に家元が生きていたらどんな感想を漏らしてただろうか
談志師匠でオススメは? と聞かれたら鼠穴でもらくだでもなく富久を勧めたい。
こんばんは、人間の業を日々感じながら生きているLITさんです。
「落語とは、人間の業の肯定である」
談志師匠が二十代の時に執筆した書籍「現代落語論」に登場する印象的なフレーズです。人間なんて生き物は欲が深くて業にまみれていて、落語という媒体を用いてそれを肯定していく。そういうものなんだそうです。
なるほどたしかに、落語に登場する人物なんていうのはマトモじゃない人間が多いわけで。下手すりゃそんなやつが知り合いだったら嫌だ、なんてくらいの人間がたくさん登場するわけですが、時に面白おかしく、時にほろっとする展開でもってそういう業にまみれた人間を描いていく。これがすなわち業の肯定なんだろうなと筆者は解釈しています。
そんな談志師匠の高座、ありがたいことにYoutubeなんかに結構上がってます(それがいいかどうかは別ですが)。
そしてなんと、公式で未公開だった高座が配信されているというから2022年もなかなかアツい年になってるなと感じます。
演目も、定番の芝浜や鼠穴だけじゃなく様々なラインナップなのが嬉しいですね。談志師匠の大工調べは筆者もはじめて見たんですが、独特の仕上がりが大変クセになるいい大工調べでした。人間のどす黒い部分がありありと描かれていて本当に良いんですよねぇ……
で、驚いたのがこのチャンネルがあまりに認知されてないこと。
公式で談志師匠の高座が見られるっていうファン垂涎モノのチャンネルの登録者数が、3600?? 高座の再生数が2000????
まぁ筆者もたまたまこのチャンネルにたどり着いた一人なのであまり偉そうなことは言えませんけどね。まぁこの記事を読んだものなにかの縁。立川談志という天才の芸に、業の肯定作業に、ひとつ触れてみてはいかがでしょうか。