ゆたんぽを抱いて寝る。

ゆたんぽを抱いて寝る。

猫のこと、本のこと、アニメのこと、野球のことetc...思いついたまま、気の向くままに。

ゆたんぽを抱いて寝る。

6/11 元犬

裏梅(菊之丞一門の定紋です)

 

噺家には階級制度がありまして、というお話

前座修業4年、二ツ目10年。

足掛け14年という長い時間を経て、ようやく辿り着ける真打という階級。それは決してゴールなんかじゃなく、むしろここからがスタートだと言われている。それくらい厳しい世界に身を投じる噺家の方々は、本当に凄い。

というのを、落語を全く知らない、もしくは落語は知ってるけど中身は詳しく知らないという人に向けてわかりやすく説明できないものか。多くの噺家が語る前座修業がいかに大変なのか、どうにかして人に伝えられないものか。

 

 

…………

 

 

……………………

 

 

 

見習いが4年あってその期間は365日毎日お給仕入るんだけどTwitterとかやっちゃいけなくて、4年経つとプリマになってTwitterとかTikTokとかツイキャスが解禁されて、初めてお給仕予定も出せるようになる。そこからリーダーになって制服の色が青から黒に変わるまで約10年かかる。

という話を某コンカフェでしたら大変よく伝わったので、この話をどこでもしていきたい……と思ったんですが店によって制度が違うじゃねぇかバカかコイツということに気がついたのでこの案はボツです。

二ツ目昇進の披露目、真打昇進披露興行をそれぞれプリマ就任イベント、リーダー就任イベントに置き換えた辺りは我ながらいいセンスだと思ったんですが、これも他所じゃ伝わりませんね、ハイ。

 

どうせ推すなら古参でありたい

推しと出会ったのは今から15年前のあの日……という強者感に憧れるLITさんですこんばんは。

いやぁホントに良かったですよね、先日のライブ。素敵な感想や素敵なファンアートにたくさんの感想レポ、筆者も楽しく読んでます。それにしても、15年追いかけてるという強者の多いことにはびっくりさせられますね。下手するとそれ以上という人もいて。15年活動してる期間より長いというバグが起きてますよねこれ。

 

筆者が好きな言葉に、推しは推せる時に推せというのがあります。推しだっていつまでも活動してるという保証はどこにもない、推したい時に推さなきゃあとから後悔するぞ、というアレです。同じような意味合いで、どうせ推すなら早く推せという筆者の考えがありまして。

決して古参ぶりたいとかそういうわけではなく、単純に「最初」を知ってると強いというお話。

なんか前にそういう記事書きましたね。

l-i-t.hatenablog.jp

手前味噌ながら、どんなジャンルであっても「始まり」を知っている人がいるっていうのはすごく強いことだと思う。それは、時代とともに色んなものが変わっていったとしても、「始まり」の人たちが目指したものや抱いていたものを見て、聞いて、知っている人がいれば何があってもちゃんと「戻ってこれる」のだと筆者が信じているからだ。

 

そんなわけで、念願叶ってようやく先日6月11日に、古今亭まめ菊改メ古今亭雛菊二ツ目昇進披露を兼ねた寄席へ足を運んできました。

11日から10日間は、師匠である菊之丞師匠が度々独演会もやったりする、馴染み深い上野鈴本演芸場での寄席です。夜の部のトリは柳家小平太師匠ですので、お近くの方は是非とも足をお運びのほど。

 

当たり前なんですが、番組表に名前が載ってるのを見ると「二ツ目さんなんだなぁ」という実感が湧いてきます。

この日かけたのは、「元犬」という噺。人間に憧れる白い犬が、お不動さんにお参りした結果本当に人間になれちゃった……という面白い噺なんですが、いやはや高座の雰囲気がすっかり二ツ目でしたね。出囃子(証城寺の狸囃子)と共に高座に上がる立ち振舞も、高座での落ち着いた様子も、元気に演る姿も、堂々としていて立派な披露目だったと思います。

 

その後、高座に上がったのは、一之輔師匠の代演で橘家文蔵師匠。

雛菊さんの高座では袖で出囃子叩いてくれるなど粋な師匠がこの日かけたネタは、「寄合酒」。二升の酒を飲むのに、せっかくだからみんなでツマミ持って集まろうぜ。寄合酒といこうじゃねぇか、という酒が飲みたくなる噺です。

そうか、この噺にちょうど犬が登場するのか。前に上がった新二ツ目のネタに絡めたネタを選ぶなんていい師匠です。と思いながら高座を見てたんですが、なんか筆者の知らないパターンでして。

この寄合酒という噺、多くの場合登場する犬が鯛を食べてしまうというのが筋なんですが、小石を食らわせたら犬が死んじまいやがった。という珍しい流れだったんです。結果的に鯛も食べることになるんですが、サゲがとても良かった。

「しかし、犬にはかわいそうなことをしたじゃねぇか。死んじまったんだろう、その犬?」

「あぁ、その犬なら次の日――人間になったよ」

ゾクッとしましたよね。

完全に元犬につながる流れじゃん。

寄席は個人で繋ぐ団体芸と言った師匠がいますが、本当にこれはそういうことだなと。新二ツ目に対する愛情ですよね。あったかい寄席を間近で見られて、大満足のLITさんでしたとさ。

 

プライバシーポリシー