ゆたんぽを抱いて寝る。

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【読書記】「神は遊戯に飢えている。7」が究極に神の遊び満載な人狼でまさに神ゲーだった

まさに毎回神ゲー

 

多人数プレイの多視点を非常に上手く書き出した細音先生の実力作

いよいよ世界最強チームにしてメンバーのほぼ全員が神で構成されているという秘密が明らかになった「すべての魂の集いし聖座(マインド・オーヴァー・マター)」の1人ニーヴェルンと戦うことになったフェイ達「神々の遊戯を授かりし(メイ・ユア・ゴッズ)」。選ばれたのはマーダーミステリー、いわゆる人狼でした。

細音先生は昔からカメラの移動(視点の移動)が実に丁寧で違和感がないのは知っていました。本作のような多人数で同じ時間軸を違う場所で過ごすようなシナリオであってもその実力は健在で、各キャラ(役柄)の行動がしっかりと、それでいてミステリーらしく肝心のところはぼやかしつつ描かれています。

 

読者も一緒になって「犯人」を推理できる没入感

とは言え、基本はフェイの背後にカメラが固定されているのでフェイ視点での物語進行にはなりますが。

「犯人を当てろ」じゃなく「謎を解け」って勝利条件が最後まで鍵になるとはね。そして各キャラに割り振られた目標との兼ね合い、そこに隠された真実。どれをとっても一筋縄じゃいかなくて、このゲームのからくりに気付いた時に初めて攻略の糸口が見えるってのが、いやぁ実に最高でしたね。そしてそのヒントは、ちゃんと本文中に示されている。切った張ったのバトル物が多い細音作品ですが、こういう知力バトルでもしっかり魅せてくれるのは、まさに神ゲーの如き所業でしょうか。

 

ラストの怒涛の展開はまさに神ゲー的展開でLITさん歓喜

本作の見どころは、やっぱり最終日でしょう。

「最初から全員が“犯人”」「全員が“正体”を隠している」そして「全員が“目標”を放棄することが勝利への布石」という、およそ人狼ゲームとしては異例ながらも神のゲームらしい一面に気付いたフェイのお陰で、物語の隠された真実に近づいてからの、ラストです。

ゾンビとして蘇った村長を倒すためには、最終日の村人裁判で誰も欠いてはいけない。そして、それぞれに与えられた“もう一つの能力”は、この時のためだった。村長の怒涛の攻撃を、村人達の“能力”が撃破していく。その構図は、まさに神vs人の頂上決戦。配役まで計算され尽くしたニーヴェルンの策略を、しかしフェイ達は屈することなく突破していく。

まさに神ゲー的展開でゲームは幕を下ろします。そして、いよいよ見えて来た10勝。フェイ達を待ち受ける展開に期待しながら、次巻を待ちたいところです。

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